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ハイスクールD×D 紅い神喰狼と赤龍帝

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戦闘校舎のフェニックス
  正体と御家事情

~イッセーside~
終わりかと思ったら、今度は真紅狼の事に付いてだった。


「さて、真紅狼」


部長は息を吐いた後、真紅狼の方に向いた。
真紅狼の表情は“この場から逃げ出したい”という表情だった。


「先程、祐斗から聞いたんだけど、アナタ………神器が二個も持っていたなんてどういうこと?」
「えぇっ?! ちょ、ちょっと部長、それ、マジの話ですか!?」
「マジよ。実際に見てもらった方がいいわね。真紅狼、発動してくれる?」
「お断りしま…………「朱乃」………オーライ、落ち着こうぜ」

部長が朱乃さんの名前を呼ぶと、朱乃さんはニコニコフェイスで真紅狼の肩を掴む。
その瞬間、真紅狼は即座に止めに入る。


「発動してくれるわよね?(←悪魔の笑み)」
「ウィ」


そして、真紅狼は紅いコートと腕のところを発動した。


「部長………神器って、一人一つですよね?」
「そうなんだけど、目の前に例外がいるのよね」


例外の男は、未だに朱乃さんに掴まれていた。


「真紅狼、腕の名前は?」
「“大地を引き裂く狼爪”」
「また“狼”の名前………何かの系譜かしら?」
「真ちゃんは、何か知ってる?」
「………いや、知らないぞ?」


今、若干間があったな。


「若干間があったのは気になるけど、まぁいいわ。『まだ持ってました』なんて、言わないわよね?」
「俺自身も知らないんだから、聞くなよ(あと四個持ってますよ)」
「取り敢えず、みんな御苦労さま。真紅狼もね? 事務的な仕事はこちらでやっておくから、帰っていいわよ」


そう言って、部長は解散を宣言し、部長命令でアーシアは俺の家に住むことになった。
名目は、“ホームステイ”になった。
真紅狼と朱乃さんはいつも通り腕を組んで帰っていき、木場と小猫ちゃんは家は近いが別々に暮らしてるらしい。
長い夜の晩が終わった。
~イッセーside out~


~リアスside~
イッセー達と別れて、自宅で私はお兄さまと連絡を取っていた。
目的は、もちろん真紅狼の神器についてだ。


『………どうしたのですか、お嬢様? こんな時間に連絡を取りたいなどと………』
「ちょっと、調べて欲しいことがあるのだけどいいかしら?」
『………なんでしょう?』
「過去に“神器持ちの人間が一つ以上持っていたか”と“神器の中に『狼』の名が付いた神器”を調べて欲しいのよ」
『お嬢様、前者の方はもう答えが出ているではありませんか。“神器”は一人一つ。これは、一生変わらずのルールのはずですが?』
「……目の前に二つも持っている人間を見てしまったら?」
『なんですって?』
「私の知り合いの人間が二つも神器を持っていたんだけど?」
『本当ですか?』
「はっきりとこの目で確認したわ」
『分かりました。調べるだけ調べてみます』
「お願いね」
『それと、お嬢様に御婚約のお話が出ており………「もう、切るわ」……あ、おjy……』


ブツッ・・・・


「……勝手に話を進めるなんて……」


相手はあの男、絶対いやだわ。
自分の婿ぐらい自分で選びたいわ。
どうすれば、破談に………そうだわ!
こうするしか、破談に持ちこめないしのんびりしてたら話が進んでしまうから、明日の夜、決行ね!!
~リアスside out~


次の日の夜………


~真紅狼side~
うぃ、真紅狼だ。
現在、朱乃からの連絡が来て、『私の家にきてちょうだい』と言われて、欠伸をしながらも朱乃の家に向かっている。


「真ちゃん、ゴメンネ。こんな遅くに」
「何故俺を呼び出したのか、理由を言ってくれ」
「リアスが『真紅狼を連れてきて』って言ったのよ………というか、その手のひら………なんで薄く切れてるの?」
「昨日、十分に寝れなかったせいか、父さんの襲撃をギリギリで気が付いてな………、顔に撥が当たる直前で白羽取りしたら、こうなった。マジ死ぬかと思った」
「それはまた………」
「その後、案の定母さんのお仕置きが出て、父さんは今頃石攻め食らってる」
「………今もずっと?」
「朝からずっと………今日はゆっくり寝れるから、有難い。………が、時折聞こえてくる断末魔が聞こえるのが怖いな」


朱乃は乾いた笑いだった。
そんな話をしていたら、リアスが下宿してる家に着いた。


「リアス、来たわよ」
「入ってちょうだい」


俺達は部屋の中に入ると、銀髪でメイドさんが居た。


「何故、メイド?」
「私の家で働いているメイドでグレイフィアっていうの」
「お嬢様からお話しは聞いております、蒼騎様。私、グレモリー家のメイド長のグレイフィアです。以後、お見知り置きを」
「あ、どうも。俺の名は蒼騎 真紅狼です。見ても分かるかもしれませんが“人間”です」


なんだろう、グレイフィアさんを見ていると凄い誰かに似ている。
誰だっけ?


「お嬢様、蒼騎様が?」
「ええ、そうなの。神器を二つも持っている人間よ」
「彼の神器を調べた結果、まったく資料が出て来ませんでしたが多少は分かりました。蒼騎様の持っている神器は“忘れられた神器”で別名“狼(ウォルフ)シリーズ”というらしいです。あと、隠された“神滅具”のようです」
「つまりは、“神滅具”は十三個(・・・)ではなく十四個(・・・)だったということ?」
「はい」
「何故、分からなかったの?」
「一度もちゃんとした形で発動することが出来なかったのが原因ですね。その為、記録に載らなかったらしいです」


グレイフィアさんは、淡々と分かった事を語る。
そりゃ、そーだ。
なんせ、コレは俺の為に創られた神器だし、しかもまだ『頭』、『首飾り』、『腰』、『脚』が残ってるし。
というか、俺はそれだけの為に呼ばれたんじゃなかろうな?


「で、俺はこの為に呼ばれたのか?」
「いえ、もう一つあるのよ」


リアスは、非常に困った声だった。


「じゃあ、一体なんだよ?」
「お嬢様がご結婚されます」
「……………………………はぁ?」


え、ちょ、はあぁぁ!?


「え、なんで?」
「先の大戦で純粋な悪魔は随分と減ってしまいましたので……………」
「あー、OK。理解出来た。つまりは自分の娘を種族繁栄の為に結婚させる。………とまぁ、こんな感じか?」
「ええ、そうよ。私の意思関係なくね」


どこの親もこういうことに関しては、無責任だな。


「というか、この話がどこから俺を呼んだ理由に繋がるんだ?」
「近いうちに部室に私の婚約者が来そうなのよ、その時に何があっても口を出さないで欲しいの」
「まぁ、別にいいが…………」


それぐらいなら、まぁ、別に構わないが………

「蒼騎様、よろしくお願いします」
「あ、はい。というか、グレイフィアさん。俺の名前、呼び捨てで構わないですよ? グレイフィアさんの方が年上ですし………」


いや、なんか年上の人に、様付けは………なんか、ねぇ?


「ですが、職業柄なので………そうですね、メイドの仕事が無い時、オフ時は『真紅狼』と呼ばさせてもらいますが、よろしいですか?」
「別にいいですよ。そっちの方が自然でいい」


あ、分かった。
誰に似ていると思ったら、母さんだ。
母さんに似ているんだ。


「なんというか、ウチの母さんに似ている」
「あ、真ちゃんも思ってた? 私もそう思っていたのよ」
「蒼騎様のお母様にですか?」
「うん、凄い似てる。多分、話が合うと思いますよ」
「では、今度オフの時にでも会わせてくれますか?」
「母さんは基本いつでも家に居るから、俺に通してくれたら、会えますよ」
「じゃあ、これで話は終わりよ。真紅狼に朱乃も態々来てくれてありがとう」
「おう」


そして、朱乃を家まで送っていき、家に帰っていった。
~真紅狼side out~


ここに居る全員がこの後のことを知る由もなかった。
まさか、ああなるとは………… 
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