私 あの人のこと 好きなのかも やっぱり好きなんだよ 昔からー
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3-5
その日から、私の中にもう一人の私が居るみたいで
(彼も忘れていないって言っているんだから 飛び込んで行けいいんじゃーないー 彼のもとに 同じキャンパスだったら、一緒に居られるんだよ 同じ大学に行けばいいじゃぁないのよー)
(だって そんなことになったら お母さん 独りぼっちになるモン そんなー 見捨てるようなこと)
(幸せを 見過ごすのか? それに、真織は彼とどこかで結ばれているはずだろ?)
(遠く離れて 一人生活なんて お母さんが許してくれるはずないわ!)
ほとんど その繰り返しで、心の中で葛藤していた。だけど、私はあの大学の受験科目を確認してしまっていたのだ。
お母さんに、それとなく
「ねぇ お母さん 専門学校が、この辺りには無くて京都まで出ても良いかなー?」
「うん しょうがないよねー ここら 田舎だし でも 通学大変じゃぁない?」
「うーん かもね 姉ちゃんみたいに 4年制だと 授業に余裕あるけど 専門学校だと授業詰まっているから・・・ 仮にね 近くでどっか 借りて住むってのは?」
「・・・そんなのー 女の子 独りで・・・ 危険」
「でも 通学も危険だよ 帰り遅くなることもあるかも知れんしー」
「そうねぇー そん時は考えましょ お父さんも時々、泊って来るようだから 一緒にってのも アリかもね 見張り兼て」
「それ! どっちがどっちを見張るのー?」
「ふふっ まぁ お互いをね そーしたら、お母さんも時々 点検に行けるしー」
あれから、なんとなく お母さんは私に対して 機嫌が良いのだ。だけど、大学の話になると 豹変するかもー。私も、決心出来なくて、決めかねていた。
そして、1学期の終わりに3者面談があって、私は、専門学校の名前しか書いていなかった。担任の先生が
「奥浦さんは・・・大学は希望してないのか? 食品関係の勉強をやりたいと言っていたじゃぁないのか?」
「・・・」
「そうなの? マオ そんなことも言ってたよね?」
「お母さん 奥浦さんは 成績は学年でもトップクラスなんですよ 大学でも国公立は充分に突破できると思います。惜しいなぁー 学校としても 優秀ですからーね もし、本人が希望するんなら もう 一度 話あってみたらどうですかねー」
帰り道、私がグラタンを食べたいと言ったので、ファミレスに寄って
「マオ 正直に言ってごらん? あなた 家に気を使ってるの? 学費のこととか」
「・・・ そんなんちゃうけど・・・も あるカナ お母さん マオはね 農学部なのよ 食品系っていうと ここから 行けるとこって 京大ぐらいじゃぁない? 先生はああ言ってたけど マオには無理と思ってるの 行くとしたら・・・遠いとこ」私は、ぼやかしながら言ってみたら
「・・・遠いとこって? 大阪とか神戸?」
「ううん ・・・ もう いいの! 私 お母さんのことも好きだもの 側に居たいの」
「マオ・・・ 良い子すぎなのよー お母さんには・・」お母さんは、涙を見せたくないのだろう トイレに立っていた。
8月が近づくと、姉ちゃんも夏休みになるのか、お母さんに
「旅行に行っていい? 奄美大島」
「えぇー お泊り?」
「そう 3泊4日」
「誰と行くの?」
「うーん 大学のお友達」
「だけ? 男の子は?」
「まぁ 一緒 用心棒代わりだよー 女だけだと不用心じゃん」
「あなた 遊んでばっかーで お金は出てきませんよー」
「う~ん ちょっと 援助してよー」
「ダメ! 家のことはマオにばっかり押し付けておいて マオはなんでも我慢しているのよー」
「マオはさー 可愛くて、スタイルも良いし 勉強も出来るから 恵まれてるんだよー ウチは 友達もいっぱい作って、お付き合いしていかなきゃー 人気者にならないと、男の子からも相手されないんだよー」
「べつに マオは 男の子なんか相手にしてません!」
「そーでも ないんだよ お母さん知らないだけで マオは、この沿線じゃぁ 一部の男の子に真織の ま は魔性の女の魔だって言われてるんだよ 可愛いからって、その気にさせといて、プイっと 知らんぷりするって」
「なんてことを・・・マオは そんなことしませんよ! やさしい子なんよ!」
「ふ~ん ウワサだけなんだけどネ でも いつも 電車でも すました顔してるよ だから、男の子もひいちゃって声も掛けずらいんだって!」
「ちょっと 妹なんだから変なふうに言ったらだめよー 女の子は それで いいのよ!」と、お母さんもイライラしていた。
姉ちゃん 私は・・・そんなつもりじゃぁ無いのよー 確かに、高校に入ってから、何人かの男の子に付き合ってくれって言われて、私 いつも 何にも言えないで その場から逃げたことがある。だって 恐かったし・・・それに・・あの人のことが気になっていたから・・
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