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私 あの人のこと 好きなのかも やっぱり好きなんだよ 昔からー

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3-3

 それからは、私はお母さんと買い出しに行く以外は家から出なかった。カイの散歩も暑いので、近所を歩くだけにしていた。姉ちゃんは遊び捲っていて、学校が休みになる前から、私にだけ、お母さんには内緒ねと、合コンをしたとか、8月の初めにはバンガローに泊まるとか様子を報告してくるのだ。洋服なんかもどんどん派手になっていて、そんなお金どうしているのだろう。でも、さすがに、遊ぶお金が足らなくなってきたのか、バイトに行くと言って、ホテルのティーラウンジだと言っていたが、どうも週に何回かはクラブみたいなとこに行っているみたい。一度、夜遅くに帰ってきた時、お酒の匂いがしていた。まだ、未成年のはずなんだけど・・。

 夏休みも終る頃、香波ちゃんが遊びに来て

「真織 閉じこもってんでしょ 何だかねー ウチなんか 誠と海に行ったんだー 彼は車 買ってもらったんだって言うからー 敦賀まで」

「ふ~ん ドライブ?」

「そーだね あのねー 泳いでて、海の中で 彼が抱き付いてきて キスしちゃった それとぉー 帰りにね ほらっ 身体がベトベトしてるやんかぁー だから 彼がお風呂に入ろうって 普通に車が ラブホに・・・」

「えぇー まさかー 香波」

「そーだよ あげちゃったー 彼に というより、割と強引にだったけど・・」

「あんた そんなに 簡単にー」

「でもさー 京大の工学部だよ 将来 期待できるヤン 掴まえときたいものー」

「でもさー そんなの・・・ 遊ばれてんだっら・・」

「そんなことになんないように ウチ 勉強してるの 彼に飽きられないように・・・ネットでね 彼に喜んでもらおうと・・ヘラとか色々と・・」

「なに? それ! ヘラ? 色々とって?」

「だから フェラ・・ 知らないの? 女子高でも それぐらい話し合うんでしょ? 男を喜ばすのは どうしたら良いのかよー 真織も知っといた方がいいよー 教えてあげようか?」

「いいわよー そんなの知らなくても・・・」

「ウチ 彼が喜ぶように 下着も選ぶようにしてんだぁー この前も愛し合っちゃったー」

「もう いいよーぅ 香波 変ったね 泣きを見ないように しっかりとネ」

「真織は? 誉さんと」

「マオは なんでもないよ もう 会ってない! あいつとは 会う気がしない!」   

 9月になっても、私は、家と学校の往復だけで夕方には、姉ちゃんから、こんなのお母さんに頼めないじゃぁないと押し付けられた派手な下着の洗濯をして・・・それから晩御飯の支度をしてと、意味もなく生活していたのだ。

 学校から帰る電車の中でニコニコしながら近づいて来る男の人が居ると思ったら、史也さんだった。

「真織ちゃん 見かけたものだからー 俺 バイトの帰りなんだよ 夜勤明け」

「あっ 史也・・さん バイト?」

「ウン 夕方の5時から明け方の5時まで 6時くらいまで働かせられるけどね それから、朝風呂銭湯に行って、公園の日陰で寝て 帰るんだ 3日に一度だけど」

「ふ~ん 何してるん?」

「居酒屋だよ 店に来たらサービスするぜー 真織ちゃんじゃあ来ることはないか!」

「そーだよ ありえない」

「あっ そうだ 今日な 伊織利を見送ってきたんだ 受験まで東京のおばあさんチに居候するってさ 予備校も」

「・・・えっ あの人帰ってきたの? 北海道」

「あぁー でも 直ぐに 東京だろう 土産もあるからって 見送りに言ってきた」

「そう ・・・ 居ないんだぁー で 大学はどこ? 受けるつもりなの?」

「宇都宮 高校の時の先輩が行ってるみたいで あいつ 慕ってたから」

「えっ ウ・ツ・ノ・ミ・ヤ?」私は、聞いたことがあるけど、はっきりとはどこなんだか知らなかった。

「そう 北関東 なんだヨッ 気になるんかぁ?」

「ううん ただ・・・それで その先輩って女の人?」史也さんは、私とあの人とのことは知らないはずだから・・・

「そんなわけないじゃん ラグビー部の先輩 あいつは わけのわかんない女に 一筋だよ」

「・・・」

「織藻は元気にしてるか?」

「えー 会ってないの?」

「そーだな 夏前ぐらいからー あいつ サラリーマンとの合コンが忙しいみたいでな なんとなく・・・誰かと付き合っているカモな」

「そーだったんだ あんなに仲良かったのにねー」

「そーなんだよ 真織ちゃん 慰めてくれる?」

「あーぁ それ! 無い 無い!」 私は、バカ女なんですと、自分でも笑えて来ていた。

 別れた後、私はあの人のことを考え込んでしまっていた。遠いなぁー 東京よりももっと離れてるんでしょ この辺りみたいに、田んぼと畑 ばっかーなんだろうか

 この時は、まだ私も その宇都宮まで行くなんてことは考えてもみなかったのだ。だけど、どんどん あの人のことを理想化していっている自分がいて、会いたいという気持ちが増長していっているのだ。まだ 私のこと 忘れないで居てくれるんだろうか 会いたい! 
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