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八条学園騒動記

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第七百四十八話 球種は三つだけその六

「四百勝もな」
「いけたかも知れないのね」
「そこまでの人だった」
「これならそうだな」
 フランツもステータスを見つつ太鼓判を押した。
「いけるな」
「そうだな」
 ギルバートも言った。
「この人ならな」
「ギルバートもそう思うな」
「思えば球種が色々あってもな」 
 それでもというのだ。
「どれも大したことがないとな」
「球種が多いのも武器だがな」
「一つ凄い球種を持っている方がだ」
 その場合がというのだ。
「いい場合もあるな」
「そうだな」
「それでだ」
 ギルバートはさらに言った。
「僕もシンカーだけでもな」
「それが凄いとだな」
「やっていけるとだ」
 その様にというのだ。
「思った」
「他の球種でもだな」
「誰も打てないボールなら」
 そこまでだというのだ。
「見事な武器だ」
「そうだな」
「どんな球種でもな」
「誰も打てない位とだな」
「そこに他の球種も交えれば」
「勝てるな」
「あるだけでだ」
 まさにそのボールがというのだ。
「大きな武器だ」
「そうなるな」
「そしてそれがだ」
 ギルバートはさらに言った。
「何時どのコースで来るか」
「そう警戒させるとな」
 タムタムギルバートに真剣な顔で話した。
「それだけでな」
「武器になるか」
「相手の気持ちをそのボールに向かわせるとな」
「他のボールへの注意が削がれるな」
「だからな」 
 そうなるからだというのだ。
「いいんだ」
「それで打てないからか」
「尚更いい」
「そうなるか」
「魔球は存在すればだ」
 そのピッチャーが凄いボールを持っていると、というのだ。
「それでだ」
「武器になるんだな」
「そういうことだ」
「一つでも武器になるんだな」
「そうだ、だが」
「だが?」
「流石にそんなピッチャーは少ない」
 タムタムはこうも話した。
「コーファックスさんみたいな人もな」
「三つだけでもだな」
「いないな」
「そうだな」
 ギルバートも否定せずに答えた。 
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