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私 あの人のこと 好きなのかも やっぱり好きなんだよ 昔からー

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 だけど、学校の行き帰りでも、根性無しのカイを散歩に連れ出しても、彼の姿を見ることは無かった。そして、進学する高校を決める時、私は県内一の公立の高校と私立の女子高を選んでいたのだ。

「マオ バッカじゃないの 受かるわけないじゃん トップなんだよ あそこより 1ランク下げレバー ニラ炒め」と、姉ちゃんはからかって来ていて、確かに先生からも、確率的に半分かなー もっと確実なとこを・・・と、言われていたのだ。

 だけど、私は、あそこなら、彼の学校がある駅よりも先に行くから、電車で一緒になることもあるだろうしーと・・・滑り止めの私立もそういった理由なのだ。おそらく、この時には、私は、知らない彼に憑りつかれていたのだ。姉ちゃんはおそらく彼と連絡先を交換しているだろうけど、聞く気は無かった。私は、姉ちゃんよりも勉強は出来るはずだし、姉ちゃんみたいにチャラチャラしているつもりも無かったから どこかでバカにしてて・・・頭を下げる気も無かったのだ。姉ちゃんに色々と聞かれるのも うっとぉしかった。

 香波ちゃんは、一番近い高校。姉ちゃんと同じとこに決めていた。あの子は栄養士さんになると言っていたから、とりあえず高校出てればいいのだって言っていた。だけど、私は・・・先の希望が何にも無い・・・。漠然と、小料理屋さんのおかみさんって良いよねー お客さんにちゃほやされるようなー って思う程度だった。姉ちゃんは背が低いけど、私はそれよりも高くって、手足がほっそりとしていて、スタイルも悪いほうじゃぁないと自分でも思っていた。

 そのまま年が明けて、私立の高校は受かっていて、公立高校の受験も済んで、卒業式の時、男の子二人に、付き合ってくれと告白されたけど、私はだらだらと交わしていたのだ。せっかく言ってくれたのもあって、嫌じゃぁ無かったのだけど・・・別段、その気にならなかったのだ。

 そして、公立の合格発表の日。見事に 落こっていた。お母さんからは「学費 どうすんのよ おかず考えなきゃーね」と、嫌味っぽいことを言われて、姉ちゃんからも「マオは 気負って もう 頭も バカ んす なのかな」と、バカにされていた。人生の半分は終わった という気分だった。

 だから、その日から私は、お母さんのお手伝いを進んでして、自分からは洋服をおねだりしたりとか、下着なんかでも高校生になったのだから、姉ちゃんみたいに可愛いのって・・・でも、言い出せなくて中学の時のダッサイので我慢して、食べたいものでもおねだりを言わないよう様にしていたのだ。もちろん、姉ちゃんのようにお化粧品なんかも・・・だけど、たまにお母さんのスキンクリームだけを内緒でつけて、その他は使わないようにしていた。

 自分でも、馬鹿なことをしてしまったと、後悔する時もあった。あんな知らない彼に憑りつかれてしまってーと。やっぱり、近くの確実な高校を選べば良かったのかなーと

 そんな人生先行き暗~い中、4月になって、高校に通い出したけど、彼に出会うことは無かった。多分、クラブの朝練とかで、もっと早い電車なのかと思ったけど、私も学校の勉強とかに追われて、寝るのが遅くて、朝起きるのが辛いのだ。それでなくても中学より遠いので、早い時間になっていたから、いつもギリギリ 駅まで走って行くといった調子で希望も無い高校生活が始まった。 
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