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八条学園騒動記

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第七百四十七話 サチェル=ペイジその十

「そうだったわね」
「俺もそうだったと思う」
「そうよね」
「だが今ならな」
 この時代ならというのだ。
「サチェル=ペイジは中六日よく投げて四日でな」
「投げていたのね」
「そうしていたな」
「そうだったのね」
「幾ら還暦近くまで現役でも」
「大学出て二十三歳でデビューして」
「仮に還暦をちょっと過ぎてな」
 そうしてというのだ。
「六十三歳まで投げてもな」
「四十年ね」
「一年辺り三十試合にしてもな」
「一二〇〇試合ね、これも有り得ないわね」
「流石にな」
「衰えもするし」 
 還暦にもなればというのだ。
「現役でもね」
「流石に出場も減っている」
「そうよね」
「だからな」
「一二〇〇試合登板も無理ね」
「百歳まで現役ならわからないが」
 タムタムは連合の平均寿命から話した。
「流石にこれはな」
「有り得ないわね」
「人間じゃない」
 百歳まで現役ならというのだ。
「幾ら何でもな」
「ええ、人間じゃないわね」
「今は百五十まで生きる人もまあいるが」
 流石にこの時代でも稀である。
「しかし百歳まで現役はな」
「ないわね」
「幾ら何でもな」
「不可能よね」
「だから二五〇〇試合登板なんてな」
「今は有り得ないわね」
「だから二〇〇〇勝もな」
 サチェル=ペイジが為したというそれもというのだ。
「流石にな」
「ないわね」
「そうはな」
 とてもというのだ。
「有り得ない」
「そうよね、けれど今でも活躍していたわね」
「六〇〇勝いけたな」
「連合の全体の野球でも数える位しか達成していないわね」
「流石にな」
 そこまでの記録を達成する人はというのだ。
「そうはいない」
「そうよね」
「連合全体で数人だ」
 巨大な人口を誇り野球人口もそうであり千年の歴史を持つこの国でもというのだ、四兆の人工の中に無数のリーグとチームが各国で活動しているのだ。
「それだけだ」
「少ないわね」
「長い歴史の中でな」
 タムタムもその歴史を話に出した。
「それだけだ」
「数人だけね」
「そこまで少ない」
「六〇〇勝になると」
「そもそも二〇〇勝でな」
 連合では所謂名球会に入られるだけの勝利数だ。 
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