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ドリトル先生と不思議な自衛官

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第十一幕その二

「どちらも」
「海軍に縁のああるお料理が」
「そうです」
 こう先生にお話するのでした。
「どちらも。他のお料理も美味しいですが」
「特にですね」
「その二つが絶品でして」
 それでというのです。
「先生にもです」
「お誘いしてくれるのですね」
「ではお昼は。こちらから近いですし」
「それで、ですね」
「行きましょう」
「それでは」
 こうお話してでした。
 先生は皆と一緒に掘与さんにその食堂に案内してもらいました、そして席に座ってカレーと肉じゃがを注文して食べますが。
 実際に食べてです、皆笑顔で言いました。
「美味しいね」
「堀与さんの言う通りだね」
「カレーも肉じゃがも美味しいわ」
「とてもね」
「そういえば先生は生きものの言葉がわかりましたね」
 堀与さんは皆の言葉を聞いてにこにことそうだねと頷いている先生を見て言いました。
「そうでしたね」
「はい、実は」
 先生は堀与さんにも笑顔で答えました。
「皆に教えてもらって」
「それで、ですね」
「わかります」
 皆の言葉がというのです。
「猫の言葉もわかります」
「それは凄いですね」
「いえいえ、教えてもらったので」
 皆を見つつ謙遜して言うのでした。
「ですから」
「教えてもらわないとですね」
「フィン=マックールとは違います」
「ケルト神話の英雄ですね」
 堀与さんはそのお名前を聞いて言いました。
「そうでしたね」
「そうです、特別な鮭を食べて」
「それからでしたね」
「生きものの言葉がわかる様になって」
 そうしてというのです。
「他にも知恵を授かって」
「英雄になりましたね」
「そうです」
「その英雄のお話は私も聞きました」
 堀与さんはカレーを食べつつ答えました。
「イギリスに留学していた時に」
「留学!?確か」
 先生は堀与さんのイギリス留学のお話を聞いて目を丸くさせて問い返しました。
「堀与さんは留学経験は」
「おっと、失言でしたね」
「失言ですか」
「いや、今も経験はあります」
 留学のというのです。
「アメリカに」
「イギリスではないですね」
「今でおそらく察せられたのでは」
「堀与さんはまさか」
「そうです、私は確かに今は自衛官でして」
 そのお仕事に就いていてというのです。
「戦後の日本に生まれてです」
「生きておられますね」
「ですが」
 先生にそれでもと言いました。
「前世のことは覚えています」
「そしてその前世は」
「はい、東郷平八郎です」
 まさにその人だというのです。 
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