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金木犀の許嫁

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第八話 同居をはじめてその十二

「素晴らしいことを言ってるから」
「いいのね」
「そう、特撮は偉大よ」
 真昼はこうも言った。
「アニメも漫画もラノベも」
「変な思想書よりも」
「そう、変な思想書っていうと」 
 真昼は具体的に話した。
「吉本隆明とかね」
「何処かで聞いたかしら」
「戦後最大の思想家って言われてたの」
「戦後最大っていうとね」
「凄いって思えるでしょ」
「それが違うのね」
「オウムの教祖を絶賛したし」  
 我欲しかない他の宗教の教理をつなぎ合わせただけの教えを説きかつ権力まで望みテロを命じた輩をだ。
「最も浄土に近い人とかね」
「それ聞いたら馬鹿ね」
「馬鹿も馬鹿でしょ」
「私達よりずっとね」
「しかもね」
 それだけでなくというのだ。
「文章が変なのよ」
「さっきわかりやすくって言ってたわね」
「何を言ってるかわからない」
 そうしたというのだ。
「変なこと書いてるのよ」
「わからないのね」
「そうした文章で何を言ってるかわかると」
 そうした文章を書く様になればというのだ。
「どうってことない」
「そんな主張?」
「そうなの」
「本当に何でもない人なの」
「むしろ大馬鹿だから」
 真昼は言い切った。
「あんな胡散臭い教祖持ち上げるんだから」
「オウムの」
「もうね」
 それこそというのだ。
「その辺りの子供の方がずっと頭がいい」
「そんな人ね」
「そうよ」 
 その実はというのだ。
「本当に下らない」
「そんな人ね」
「私もちょっと読んでね」
 真昼自身もというのだ。
「読んでも意味はないってね」
「思ったの」
「確信したの」
 そうしたというのだ。
「それですぐにね」
「読まなくなったのね」
「そう、本当にね」
「読む価値ないの」
「あんな人の本読むよりは」
 それこそというのだ。
「普通に特撮とか観ることよ」
「ずっとためになるのね」
「吉本隆明の本なんて読んでも意味ないし」 
 それこそ全く、というのだ。
「得られるものだってね」
「ないのね」
「何の価値もないわ、けれどね」
「特撮はためになる」
「しかもわかりやすいから」
「尚更いいのね」
「真理は難しくなくて」
 こうも言うのだった。 
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