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ドリトル先生と不思議な自衛官

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第六幕その十一

「あの人はそうしたことはです」
「言わない人でしたね」
「政治のことはこれといってです」
「言わない人でしたね」
「あくまで文壇の人で」
 そうであってというのです。
「そうしたことはです」
「言わなかったですね」
「そうでした」
 先生に真面目なお顔で答えました。
「私はこの人をよく知りませんが」
「本を読まれたことがないですか」
「雪国位はありますが同じ時代に生きていないので」
 だからだというのです。
「そうした意味で」
「よくご存知ないですか」
「そうです」
「そうなのですね」
「海軍とは縁がなかったですね」 
 川端康成という人はというのです。
「それに海上自衛隊ともです」
「縁がなかったですね」
「実際ピンとこないですね」
「その人はそうですね」
 先生は確かにと頷きました、そうしてです。
 皆と一緒に掘与さんに案内してもらって教育隊も見学させてもらいました、そして舞鶴の海上自衛隊の基地や施設や学校を一通り観て回ってです。
 先生はホテルで夕食とお風呂の後で皆に言いました。
「さて、いよいよ」
「コラム書くんだね」
 ジップが言ってきました。
「そうするんだね」
「一通り見させてもらってね」
 そしてとです、ガブガブも言います。
「もう少ししたら神戸に帰るし」
「それならだね」
「コラムの執筆をはじめるのね」
 チープサイドの家族も先生に言います。
「いよいよ」
「そうするんだね」
「いい頃合いだね」
 トートーも先生に言います。
「じゃあ書きはじめよう」
「先生執筆速いし」
 それでと言うホワイティでした。
「そっちも終わらせられるね」
「じゃあ執筆の時はね」
 どうするかとです、ダブダブは言いました。
「お茶だね」
「紅茶でいいよね」
 チーチーはそのお茶が何かをお話しました。
「ミルクティーで」
「先生他の茶も飲むけれど」
 ポリネシアはそれでもと言うのでした。
「第一はミルクティーだしね」
「それにする?今回も」
「すぐに煎れるよ」
 オシツオサレツは先生に二つの頭で尋ねました。
「そしてミルクティーを飲みながら」
「コラムを執筆するよね」
「さて、書き終わって原稿をカイジさんにお渡ししたら」 
 老馬はどうなるかとお話しました。
「もう、だよね」
「うん、その頃には舞鶴での予定を全て終えていてね」 
 それでと言う先生でした。
「もう、だよ」
「楽になっているね」
「気分的に」
「そうだね」
「そうなっているね」
 こうお話してです。
 先生は皆にミルクティーをお願いしてでした。
 煎れてもらったそれを飲みながらすぐに執筆を開始しました。するとコラムはどんどんと書かれていきます。
 そして翌朝掘与さんにコラムの執筆状況をお話すると堀与さんも驚きました。
「もうですか」
「はい、半分程です」
 先生は笑顔で答えました。
「書かせてもらいました」
「論文の発表数の多さは知っていましたが」
「どうも僕は速筆らしくて」
「それもかなりの様ですね」
 堀与さんは今日の見学の打ち合わせの場で先生に言いました。 
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