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間違えて持って来た水着

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第二章

 文江はプールで皆とレンタルした黄色の可愛い感じの水着を着て楽しんだ、そして家に帰るとラフな服装の姉に言った。
「間違えてお姉ちゃんの水着持って行ったわ」
「ああ、あんた今日プールに行ったのよね」
「それでね」
 その時にというのだ。
「間違えてだったの」
「着なかったわね」
「サイズもそうだし物凄くいやらしかったから」
「いやらしい?」
「スリングなんて」
 黒のそれを姉に差し出して言うのだった。
「お姉ちゃんこんな水着を着てるの」
「ビキニとかね。ティーバックもあるわよ」
「テ、ティーバックって」
「私は持ってるわよ、あんたも大人になったらね」 
 姉は妹に笑って返した。
「着るかもね、そうした水着」
「着ないわよ、ティーバックなんてね」
 妹は姉に顔を真っ赤にさせて言い返した。
「絶対によ」
「着ないの」
「スリングもビキニもね」
「あら、大人しいわね」
「お姉ちゃんが派手過ぎるのよ、何でそんな水着を着るのよ」
「彼氏のリクエストよ」
「自分が着たい水着を着るんじゃないの」
 姉の今の言葉にはきょとんとして返した。
「違うの」
「そこもわかるわ、大人になったらね」
「そうなの」
「まあとりあえず水着返してね」
「ええ」
 文江は智実に応えた、そうしてだった。
 スリングの水着を返した、その中で自分はこうした水着ビキニやティーバックも絶対に着ないと思った。だが。 
 自分が大学生になって彼氏のリクエストで白ビキニでビーチに出てだ、姉に言った言葉を思い出して苦笑いで言った。
「小学校の時はビキニも着ないって言ったのに」
「そうだったんだ」
「お姉ちゃんにね、けれどね」
 それがというのだ。
「今はね」
「着てるんだね」
「貴方のリクエストでね」
 一緒にいる彼に言うのだった。
「着たわ、大人になったらわかるってお姉ちゃん言ったけれど」
「わかったかな」
「わかったわ、よくね」
 こう言って彼氏と一緒に遊ぶのだった、そして家に帰ると結婚して今は独立している姉とスマートフォンで話した、すると彼女は妹にわかって何よりと嬉しそうに言ったのだった。


間違えて持って来た水着   完


                   2023・12・20 
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