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ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル

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第118話 美食會最古のメンバー!災悪の戦士ギリム襲来!

side:イッセー


 サラマンダースフィンクスを調理した俺達はやっとの思いでメロウコーラの涙を出させることに成功した、だがそこにニトロが現れて更に美食會のギリムって奴までも乱入してきやがった。


(コイツ、間違いなくヤバイ!ヴァーリすら超えかねない覇気……!勝てるビジョンが浮かばないぞ!?)


 凄まじい覇気に俺はレベルの差を思い知る、少なくとも今出会っていいような相手じゃない……なんて運の悪さだ。


「皆は下がってろ!絶対に手を出すな!」


 俺はオカルト研究部や教会組のメンバーにそう叫んだ、このレベルの相手を前に皆を守りながら戦うのは不可能だ。


 全員それを分かっているからか何も言わずに頷いて逃げてくれた。


「美食屋イッセー、お前は我らの邪魔だ。早々に焼却処分に処す」
「ぐっ……!」


 左手から青い炎を出しながら戦闘態勢に入るギリム、やべぇな……!!


「ボイスミサイル!」


 だがそこに音のミサイルが奴を直撃した、激しい衝撃に砂煙が巻き上がる。


「なにチョーシこいたこと抜かしてやがる、ぶっ殺すぞ!」
「ゼブラ兄!」


 ゼブラ兄は間髪入れず口を開き再び技を放った。


「マシンガンボイス!」


 口からマシンガンのように音の弾丸を打ち込むゼブラ兄、だが砂煙を青い炎が引き裂くと無傷のギリムが現れてゼブラ兄に手をかざした。


「バーナーフレイム」


 そして青い炎の一撃がゼブラ兄を一撃で吹っ飛ばした。


「ゼブラ兄!?」


 俺は赤龍帝の鎧を纏いギリムに接近する、流石に使わないという選択は取れない!コイツはヤバすぎる!


「ナイフ!」


 俺は奴に背後からナイフを放つがギリムの腕に防がれてしまう、切傷一つもつかないとは……!?


「レッグナイフ!」


 回転しながら後退しながらレッグナイフを至近距離で放つ、だが……


「フレイムフィスト」


 青い炎の纏った拳がレッグナイフの斬撃ごと俺を吹っ飛ばした。俺は壁にまで吹っ飛ばされて血を吐いた。


「つ、強すぎる……!?」


 レベルが違うとは思っていたがまさかここまでとは!?ぐっ体が動かない……!!


「フン、噂の四天王もこの程度か。こんな奴らに後れを取るとは美食會も腑抜けたモノだ」


 ギリムはつまらなそうにそう呟き右手に青い炎を纏う。


「まとめて焼却処分だ、塵も残さず消えろ。バーナー……」
「風遁!螺旋手裏剣!」
「ぐっ!?」


 トドメを刺そうとするギリム、そこに風の手裏剣が飛んできてギリムを吹き飛ばした。


「黒歌……!」


 それを放ったのは黒歌だった、彼女の顔には隈取のような模様が出ており先程とは比べ物にならないほどの強さを感じる。


「仙人モード、私がこの世界で新たに得た力にゃん。まさか人間界で使う事になるとは思っていなかったけどね……」
「ふん、そこそこやりおる奴もいたのか」


 仙人モードとやらを使った黒歌は少しダメージを受けたギリムと対峙する、あの技であの程度のダメージしかないのかよ!?


「はぁっ!」
「ふっ!」


 ギリムと黒歌の姿が消えて次の瞬間あたりに凄まじい衝撃が駆け巡る、目で追うのがやっとの高速での戦闘を繰り広げているんだ!


「くそ、俺だってこんなところでやられていて堪るかよ!」


 俺はオートファジーを発動してエネルギーを生産した、それと同時に瓦礫が吹き飛んでブチ切れたゼブラ兄が姿を現す。


「チョーシこいてんじゃねぇぞぉぉぉっ!!」


 キレてエネルギーを生み出したのか、だが俺のオートファジーと同様にそんなに長くは持たないだろう。


「このっ!」


 黒歌は螺旋丸を放つがギリムはそれを炎の壁で防いだ、そして反撃に炎の槍を放った。


「バーナースピア!」


 一直線に放たれた炎の槍は黒歌を掠めて巨大な爆発を起こした。


「あぶな……!?」


 黒歌は体勢を立て直そうとするがそこにギリムが炎を纏った拳を振るおうとしていた、俺は鎧を纏い両腕をクロスさせてそれを受け止めた。


「イッセー!?」


 片方の腕の骨が折れたがなんとか受け切れたぞ!俺は無事な方の腕で釘パンチを放つ。


「17連……釘パンチ!」


 それはギリムの顔面を捕えたが奴は微動だにしなかった。


「フレイムフィスト」
「ボイスミサイル!」


 ギリムは俺に攻撃しようとしたが音のミサイルが奴に向かって放たれた。


「ふん」


 だがギリムは炎の壁でそれをかき消した。


「チョーシこいてんじゃねえぞ!!」
「くだらん、さっさと死ね」


 ゼブラ兄は音の鎧を纏い高速で奴を攻撃していくが全てを炎の壁で防がれてしまう。


「バーナーフレイム」


 そして奴の放った炎がゼブラ兄に迫っていく、しかし……


「フライ返し!」


 ギリムの放った炎が何かに跳ね返されたかのように奴に戻っていった。ギリムはそれを腕で振り払うがそこに毒の塊が飛んできた。


「毒砲!」


 ギリムの腕に付着した毒が奴の腕を侵食していく、だがギリムは腕ごと毒を燃やして消毒してしまった。


「今の技はもしかして……」
「イッセー、皆、無事かい?」
「オレ様華麗に登場……ん~美しい!100点満点のカッコよさ……」
「ココ兄!?サニー兄!?」


 なんとそこにココ兄とサニー兄がいたんだ、二人は修行中なのにどうして!?


「どうしてここにって顔をしてるね。簡単なことさ、ルフェイくんに呼ばれたから魔法で場所を教えてもらい急いで駆けつけてきたんだよ。もっとも君たちに死相が出ていると占いで出ていたので既に砂漠の町にサニーと一緒に来ていたんだけどね」
「そうだったのか、心強いぜ!」


 相変わらず凄い制度の占いだけどルフェイにも感謝だな、あの子の案内が無かったらデザートラビリンスを超えるのに時間がかかっていたはずだ。


「ふん、ハエがさらに増えたか。好都合だ、四天王を纏めて消し去ってやる」


 ギリムはそう言うと頭上に手を上げて大きな青い炎の球体を生み出した。


「バーナーコロナボール!」


 そしてそれを俺達に目掛けて投げつけてきた、後ろには皆もいるから避けられねぇ!


「アイス(ブロック)暴雉嘴(フェザントベック)!」


 だがそこに氷の塊が現れてそれが雉のような形になると炎とぶつかった。


「むっ?」
氷河時代(アイスエイジ)!」


 更に地面が氷で覆いつくされていきギリムまで一緒に凍らせてしまった。


「これは……」
「私だよ、赤龍帝ちゃん」


 するとそこに現れたのはなんと魔王の一人であるセラフォルーさんだったんだ。


「どうしてセラフォルー様がここにいるのですか!?」
「私のお仕事は外交官だからね、この世界の文化などを学びに来たんだよ♪」
「なにが文化を学ぶだ、俺に引っ付いてばかりのくせによ」


 リアスさんがセラフォルーさんに何故ここにいるのかと聞くと彼女は仕事で来ていると言ってウインクをする。


 しかしそれを聞いていたサニーには呆れた顔でそう呟いた。


「今はサニー君についてお勉強中だよ、もしよかったらもっとお互いを知り合う為に夜にホテルにでも……」
「一人でいけよ、アホくさ」
「や~ん♡サニー君のイジワル~♡」
「だー!くっつくんじゃねぇ!」


 二人で漫才を始めちゃったな、まったく……


「なんだ、あの頭の可笑しそうな女は?」
「サニーの恋人らしいよ」
「ふん、あの馬鹿にはお似合いだな」
「ゼブラ!テメー聞こえてんだぞ!こんな奴が彼女な訳ねえだろうが!」
「えへへ~」


 ゼブラ兄はココ兄に二人の関係を言うと心底憎たらしい笑みを浮かべてそう言う、当然サニー兄は否定するが腕にセラフォルーさんがべったりくっ付いて説得力がない。


「はぁ!」


 するとギリムがいたところが炎に包まれて一瞬で氷が蒸発した。


「次から次へと目障りな奴が増えていくな。もうお前達に時間を使う気はない、さっさと消えろ」


 ギリムは両手から炎を出すとそれを地面に押し当てた。


「バーナーフレイムタワー!」


 すると地面から複数の炎の柱が上がって俺達に向かってきた。


「かわせ!」


 俺達はそれをかわしてギリムに向かっていく。


「ポイズンソード!」
「アイスサーベル!」


 ココ兄とセラフォルーさんはそれぞれ毒と氷で出来た剣を生み出してギリムに斬りかかった。ギリムはそれを炎の壁で防いだ。


「上ががら空きだぜ!フルパワー髪パンチ!」


 ギリムの頭上からサニー兄が全ての触手をまとめた髪パンチを放つがギリムはそれを片手で受け止めた。


「マジで!?」
「ふん」


 そして炎の衝撃波を放ち三人を吹き飛ばした。


「ボイスマシンガン!」
「連射型フライングフォーク!」


 ゼブラ兄は無数の音の弾丸を放ちそこに俺も両手でフライングフォークを連射した。だがそれらもギリムの炎の壁に全て打ち消されてしまう。


「バーナードリルスマッシャー!」

 
 ギリムは両手から螺旋状の炎を放ち俺とゼブラ兄を吹き飛ばす。


「カロリーを消耗して……影分身!大玉螺旋丸!」


 黒歌は何ともう一人の自分を作り出して二人係で大きな螺旋丸をギリムに放った。だがそれも炎の壁で吹き飛ばされる。


「がはっ!」


 そしてギリムの膝蹴りを腹に喰らい黒歌は吹き飛んでしまった。


「毒砲!」
「フライングナイフ!」


 挟み込むようにココ兄と俺が攻撃を仕掛けるがまた炎の壁で防がれる、あの炎の壁はいくつも作れる上に強度も凄まじいすぎるぞ!?


「メテオノイズ!」


 するといつの間にか頭上に溜まっていた音のエネルギーが音速でギリムに落ちた。それは炎の壁で防がれなかった。


「当たった!」


 やっと攻撃が当たったと俺は喜ぶが煙が晴れると少し衣服が乱れたギリムが平然と立っていた。


「当たったからなんだ?」
「グッ……!」


 攻撃を当てれても少ししか効いてないじゃないか……!


 その後俺達は必至でギリムを攻めていくがどれも効果が無かった。


 ゼブラ兄が吹っ飛ばされてサニー兄は叩きつけられる、黒歌は炎で吹き飛ばされてセラフォルーさんは投げ飛ばされた、ココ兄が蹴り飛ばされて俺は腹部を強く殴られて後ずさりする、


「ぐふっ……!?」


 腹を抑えながら蹲る俺……マズイ、全然勝てないぞ!


「クソが……チョーシに乗りやがって……ウィークポイントボイスも見当たらねえしムカつくぜ」
「加勢しに来たのにこれじゃ面目ないね……しかも奴からは死相は全く見えないし僕達には常に死相がある、こんな奴がいたなんて……」


 ボロボロになりながらもギリムを睨むゼブラ兄と普段の冷静な表情が崩れて苦しそうな顔をするココ兄……エネルギーが付きそうだな。


「クソッ、俺の美しい顔をボコスカ殴りやがって……」
「アハッ、傷だらけのサニー君の顔も綺麗だよ」
「ありがとうよ」


 こんな時でも漫才をするサニー兄とセラフォルーさん。だが二人も限界だろう、その顔には悲痛なものが浮かんでいた。


「イッセー、あんな強い奴私も初めてだよ……正直かなりヤバいかも……」
「ああ、そうだな。俺も勝てる気がしない」


 黒歌はまだ戦えそうだが俺はオートファジーが終わりかけている、あと少ししか動けないだろう。


「こうなったら合体技しかないな」
「合体技?懐かしいね、イッセーが好きだった奴だ」
「俺は別にいいけどよ、一人協調性の無い奴がいるぜ」


 俺の提案にココ兄が懐かしそうにそう言った、昔はよく合体技を考えたもんだぜ。


 それに対してサニー兄はジト目でゼブラ兄を見ていた。そういうのは嫌いだからな、ゼブラ兄は。


「ゼブラ兄、頼む!」
「……」


 ゼブラ兄は後方にいた小猫ちゃんを見ると溜息を吐いた。


「今回だけだ、こんなくだらねぇ事に付き合うのはよ」
「おうっ!」


 渋々協力してくれると言ったゼブラ兄に俺は気合を込めた返事で返した。


「黒歌!セラフォルーさん!悪いけどギリムを少しだけ抑えていてくれ!」
「任せて、イッセー!」
「サニー君のために頑張るよ!」


 黒歌とセラフォルーさんにギリムの足止めをお願いした、少し力を溜めないといけないからな。


「正直思っていたよりは勝負になったがそれもこれまでだ、本気で焼き殺してやる」


 ギリムは凄まじい大きさの青い炎を生み出して俺達に投げつけてきた。


「バーナーコロナボール!」
氷河時代(アイスエイジ)!」


 ギリムの投げつけた炎の球体をセラフォルーさんが凍らせようとする、だが……


「さっきと火力が違う!?」


 ギリムの炎はセラフォルーさんの氷を容易く蒸発させてこちらに向かってきた。奴め、本気を出しやがったか!


「クリムゾン・ビックバン・アタック!」


 だがそこに滅びの魔力の球体が飛んできてギリムの炎を消し去った。


「なに!?」


 まさか自身の本気の一撃が消されるとは思っていなかったのか初めて驚いた顔を見せたギリム、奴は防げないと理解したのか炎の壁を張らずに横に飛んで回避した。


「リアスさん!」
「イッセー達のお蔭で魔力を溜める時間も十分にあったわ、今よ!」
「流石です!」


 俺は後方にいたリアスさんにナイスと笑みを浮かべた。


 再生したり当たらない奴が多いから忘れがちだが、滅びの魔力は当たれば各上ですら致命傷になるほど強力な魔力だ。それはギリムの炎も例外じゃない。


「多重影分身!螺旋超多連丸!!」


 その隙をついた黒歌はさらに多くの分身を生み出して螺旋丸を連続で放った。


「ぐうっ!」


 ギリムは炎をドーム状にしてそれを防御する……今だ!


「やるぞ、皆!」


 俺はブーステッド・釘パンチの体勢に入る、するとゼブラ兄が俺を後ろから音速で飛ばした。


「ポイズンギア!」


 ココ兄が赤龍帝の籠手に毒を纏わせてくれた、毒で籠手が溶け始める。さっさとぶち込まないとな!


「アイスBALL(ボール)!」


 そこにセラフォルーさんの氷が俺の全身を包み込んだ、そして炎のドームとぶつかり氷は溶けたが俺はなんとか中に入り込めた。


「喰らえ、ギリム!」
「甘いわ!」


 俺の攻撃をギリムはジャンプして回避した。


「態々喰らってやるつもりもない!このまま焼け死ね!」


 ギリムは腕を俺に向けて炎を放とうとする……かわされるのは想定済みなんだよ!


「フライ返し!」


 サニー兄のフライ返しで俺は方向を変えた、そしてまたギリムに向かっていく!


「ぐうっ……!」
「今度こそ喰らえ!ブーステッド・ポイズンジェット釘パンチ!!」


 俺は17連を×2した34連の一撃を音速で迫り毒を纏った状態の拳をギリムの背中にブチ当てた。


「グォォォッ!?」


 ギリムは不規則な軌跡を描きながら吹き飛んでいき壁にぶち当たった。


「がぁぁぁ……腕が……!」


 腕の感覚が無くなってしまった、流石に無茶が過ぎたな……


「やったか!?」
「サニー君、それフラグ……」


 ギリムを倒せたのかと聞くサニー兄にセラフォルーさんが不吉な事を言った。すると瓦礫がどかされてギリムが姿を見せた。


「ふん、まさか貴様ら程度の雑魚から攻撃を受けてしまうとはな。私も老いたものだ」
「ぐっ……」


 効いていないわけじゃないみたいだがそれでもまだまだ戦える余力はあるみたいだな、俺達はもう動けないぞ……!


「その赤い髪の小娘には少し驚かされたが仕組みは分かった。二度目の奇跡はない、早々に死ね」


 ギリムはそう言って炎を纏った拳を振りかざして攻撃してきた。


(ここまでか……!)


 俺はもうダメかと思った。だが……


「なに……!?」
「えっ……」


 ギリムの攻撃は直前で防がれていた、それを実行したのは……


「久しぶりじゃな、ギリム」
「一龍……!?」
「親父!?」


 そう、親父だったんだ。

 
 

 
後書き
 イッセーだ。ギリムは強かった、親父たちがいなかったら殺されていたな。


 だが悔しがるのはここまでだ、美味い物を一杯食ってもっと強くなって奴にリベンジしてやる。


 その為にはまずメロウコーラを皆と一緒に飲まないとな!どんな味なのか楽しみだぜ!


 次回第119話『さらばグルメピラミッド!小猫ちゃんの包丁の完成とメロウコーラの実食!』で会おうな。


 次回も美味しくいただきます! 
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