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ドリトル先生と桜島

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第七幕その九

「大砲はかなり少なかったね」
「関ケ原や大坂冬の陣で使っていたわよね」 
 ポリネシアはホワイティとは逆方向に首を傾げさせました。
「けれど他の戦いではなかったわね」
「何でかな」
 ガブガブも思いました。
「日本では大砲が少なかったのは」
「どうも大きくて重くて運びにくくて」
 それでとです、先生は皆に答えました。
「それがね」
「日本ではだね」
「どうかってなって」
「それでなんだ」
「大砲は使われなかったのね」
「他の国みたいに」
「あと城攻めも」
 この時もというのです。
「他の国では城塞都市だね」
「そうそう、街を壁が囲んで」
「それで守ってるからね」
「他の国では城は街だよ」
「そうなってるよ」
「けれど日本は違うね」
 この国ではというのです。
「そうだね」
「城下町だね」
「日本だとね」
「小田原とかは違ったけれど」
「惣構えっていったね」
「そうしたお城はあってもね」
 それでもというのです。
「少なかったね」
「ごく限られた」
「そうしたお城だけで」
「日本は大抵お城はお城だけ」
「他の国で言う砦だね」
「そんなものだったわ」
「だから攻める時もね」
 この時もというのです。
「普通にね」
「鉄砲で攻めていたね」
「鉄砲で一斉射撃を行って」
「それで攻撃しながらね」
「攻めていたね」
「そうしていたからね」
 だからだというのです。
「そのこともあったのだろうね」
「お城が違う」
「城塞都市じゃなくて城下町」
「街を攻めるんじゃなくて」
「砦だったから」
「相当大規模なお城でもないとね」
 さもないと、というのです。
「使わなかっただろうね、それに高価だったから」
「ああ、それ大きいね」
「あまりないとね」
「どうしても高価になるね」
「日本は鉄砲の大量生産でね」
 それに入っていてというのです。
「大砲の方はね」
「他の国と違って」
「殆ど造ってなくて」
「それで高価で」
「尚更だったのね」
「そうかもね、ただ大砲の威力を認識したら」 
 その時はといいますと。
「当時の日本もね」
「沢山造ってたんだね」
「鉄砲と並んで」
「そうしていたのね」
「まさに」
「そうだと思うよ、そしてね」
 それでというのです。 
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