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X ーthe another storyー

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第六話 封印その十六

「彼等の」
「そうなるでしょうか」
「確かに貴方は生きています」
「運命は変わりました」
「しかしです」 
 それでもとだ、丁はさらに述べた。
「彼等の運命は世界を左右するものであり」
「わしの運命よりはですか」
「遥かにです」
 まさにというのだ。
「過酷であり絶対のものであるので」
「変わらないと」
「そうです、変わることなぞ」
「ないというのですね」
「そうです、ですから今そう思っていても」
「いえ、わしは信じています」
 鏡護は今もこう言った。
「あの三人はです」
「運命を変えますか」
「左様です」
「貴方はそう言われますか」
「信じていますので」
 それ故にというのだ。
「左様です」
「そうですか」
「わしは。ですが」
 ここであ、鏡護は。
 丁を見てだ、彼女に考える顔で問うた。
「こうなることは嬉しいことでは」
「わらわにとってですか」
「はい、運命が変わり」
 そうしてというのだ。
「ひいては人間もです」
「救われるというのですね」
「そうなるのですから」
「それはです」 
 丁は表情を変えずに鏡護に答えた。
「貴方にはわからぬことかと」
「わしにはですか」
「はい、わらわもそう思いたいのですが」
 嬉しくというのだ。
「その様に。ですが」
「運命の重さでしょうか」
「そう思われて下さい」
 はっきりとしない返事であった。
「貴方は」
「ふむ。何かありますな」
 丁の返事を受けてだった、鏡護はこのことを察して述べた。
「丁様には」
「前もその様なことを言われた様な」
「そうですな、ですが」
「それでもですか」
「きっとです」
「三人の運命が変わることは」
「そうです、よいことです」
 まさにというのだ。
「必ず」
「それが人間を救うことにもなるので」
「しかも地球もです」
 こちらもというのだ。
「救われるので」
「そう思いたいとです」
「また言われますか」
「はい、その様に」
「そうですか」
「はい、そして彼が決める時はです」
 丁はあらためてこの話をした。
「近付いていて必ずです」
「その時が来ますか」
「左様です」
「そうですか、その時にわかりますか」
「運命が絶対ということを」
 まさにこのことをというのだ。
「わかります、貴方も」
「わしの考えは変わりません」
 鏡護はそう言われても微笑んで答えた。
「やはりです」
「運命は、ですか」
「変わるものであり」 
 そうしてというのだ。 
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