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X ーthe another storyー

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第六話 封印その十五

「そうか、元に戻れたな」
「元?」
「元の俺達にな」
 こう言うのだった。
「戻ったな」
「あの時みたいに」
「ああ、俺達三人はな」 
「幼馴染みで」
「何があってもな」
「一緒ね」
「あの時はそうだったしな」
 幼い頃はというのだ。
「そしてな」
「今なのね」
「戻ったな」
「そうなったのね」
「ああ、よかった」 
 封真は微笑んでこうも言った。
「本当にな」
「神威ちゃん何か最初はね」
「東京に戻ってきた時はな」
「近寄りにくかったけれど」
「それがな」
「戻ったのね」
「ああ、そうだからな」
 それ故にというのだ」
「今俺は言ったんだ」
「元の私達に戻ったって」
「そしてな」
「そして?」
「ずっとな」
 これからはというのだ。
「もう何があってもな」
「私達は変わらないのね」
「そうなる、俺達はずっと一緒だ」
 こうも言うのだった。
「本当にな」
「何があっても」
「そうだ」
「そうよね、私達はね」
「人類や地球の最後の日が来てもな」
「それでもね」
「一緒だ、最後の最後までな」
 テーブルに座って小鳥と向かい合いつつ話した。
「そうなっていく」
「うん、私も神威ちゃん支えるしお兄ちゃんもね」
「支えてくれるか」
「何があっても」
「俺も神威もか」
「二人共ね」
「そうなんだな、だったらな俺もだ」
 封真は自分のこともと話した。
「お前も神威もだ」
「護ってくれるのね」
「どうなってもな」
 こう小鳥に話した、二人はこの話は二人だけでして誰も聞いていないと思っていた。事実その場には誰もいなかったが。
 丁はその話を聞いていた、そのうえで夢の中で鏡護に話した。
「その様にです」
「二人の育て方は間違っていませんでした」
 鏡護は向かい合っている丁に微笑んで述べた。
「嬉しく思います」
「そうですか、ですが」
「あの三人はですか」
「彼が運命を選べば」
 そうすればとだ、丁は今も悲しい顔で話した。
「その時にです」
「封真は小鳥を殺すか」
「彼女が殺されるのを見るか」
「どちらかで」
「彼と戦うことになるでしょう」
「それが運命ですね」
「はい」 
 俯いた顔での返事だった。 
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