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出るとか最高

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第二章

 そうして観に行くと彼は一家でだった。
 日本の屋敷の中での生活を満喫していた、何と室内では着物を着てだった。 
 和食を食べお茶を飲んでいた、そのうえで山添に言った。
「最高ですよ」
「そうですか?」
「妖怪や幽霊の皆さんも一緒で」
「いや、それがその」
「知らないですか?イギリスじゃ喜ばれるんですよ」
 ポーツマスは山添に羊羹を出して自分も食べつつ話した。
「幽霊が出るお家やホテルは」
「妖怪もですか」
「イギリスじゃ妖精ですがね」
 それでもというのだ。
「出るとです」
「人気ですか」
「それに悪い幽霊や妖怪じゃないですね」
「出るだけですね」
 山添もそれはと答えた。
「別にです」
「それならです」
「いいですか」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「こうしたお家を変えまして」
「嬉しいんですね」
「いいお家買えました、有り難うございます」
「貴方がそう言われるなら」 
 山添も異論はなかった、そして。
 以後も定期的に様子を観に行ってもだった。
 彼は一家で生活を満喫していた、それでだった。
 山添は家で妻に話した。
「イギリスじゃそうなんだな」
「幽霊や妖怪が好かれるのね」
「そうみたいだな、まあ日本でもな」
「そういうの人気だけれどね」
「しかし出るとな」
 それならというのだ。
「皆避けるからな」
「日本だとね」
「それがイギリスだとな」
「出ても人気なのね」
「そうしたお国柄か」
「そうね、いい勉強になったわね」
「ああ、これも国によって違うってことだな」
 彼はこのことを認識してだった。
 今回のことを受け入れた、そしてそれからもポーツマスの現状を確認するとやはり彼と家族は幸せだった。妖怪そして幽霊達との暮らしを満喫していた。


出るとか最高   完


                 2022・9・26 
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