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ドリトル先生とめでたい幽霊

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第六幕その三

「大海の中の小匙一杯だよ」
「よくそう言うけれど」
「先生もそうなんだ」
「その知識は少しなんだ」
「世の中で」
「そうだよ、本当に少しでね」
 それでというのです。
「だからこそいつも学んでいるんだ」
「知らないから学ぶ」
「知る為に」
「そういうことなのね」
「そうだよ、本当に知らないことがね」
 それがというのだ。
「僕もとても多いよ」
「まさに大海の中の小匙一杯」
「まだまだ知るべきことがある」
「そうなんだね」
「そうだよ、本当にね」
 それこそというのです。
「僕の知識も少しだよ」
「博識でもそうなんだ」
「知っていることは少しなの」
「本当に世の中の少し」
「それだけしか知らないのね」
「そうだよ」
 こう皆に言うのでした、そして。
 高津神社から今度は飛田大門というところに来ました、そこにはもう門はないですがここで先生は言いました。
「ここに夫婦善哉の主人公達のお店があったんだ」
「へえ、ここなんだ」
「難波も歩いたけれど」
「ここにお店があったのね」
「そうだったんだね」
「そうだよ、ここにあってね」
 お店がというのです。
「商いをしていたんだ」
「ここもまた作品の舞台で」
「それで主人公達のお店があった」
「そう思うと感慨深いね」
「そうよね」
「僕もそう思うよ」
 先生は皆に笑顔で言いました、そして。
 そこからまた難波の街を歩きました、その中で三時になったのでティータイムとなりましたがここで。
 先生は喫茶店に入ってティーセットを注文して紅茶を飲みながらこんなことを言いました。
「織田作さんも喫茶店が好きだったんだ」
「そういえば自由軒の写真でもコーヒーが一緒にあったね」
「そうよね」
 チープサイドの家族もそれはと頷きました。
「あの写真にある通りに」
「コーヒーが好きだったんだ」
「都会の人だったし」
「それで喫茶店もよく行ったんだ」
 オシツオサレツも二つの頭で言いました。
「食べることも好きで」
「コーヒーもだったんだ」
「じゃあこの辺りでもだね」
 トートーも言います。
「織田作さんはよく喫茶店にも入っていたんだね」
「当時から残っている喫茶店あるかしら」
 ポリネシアはこう考えました。
「織田作さんが入った様な」
「そこはどうなのかな」
 ジップも言いました。
「昔からあるお店は喫茶店でもあるかな」
「大阪はその頃からのお店も残ってるけれど」
 ガブガブも考えます。
「喫茶店はどうかしら」
「若しあったら行きたいね」
 チーチーは心から思いました。 
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