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ドリトル先生とめでたい幽霊

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第六幕その二

「織田作さんもだね、そして織田作さんはね」
「大阪の食べものでね」
「気取っていない普通のもの」
「それを食べていたね」
「庶民的なものを」
「そう、高い食べものはね」
 そうしたものはというのです。
「織田作さんは基本食べていなくてね」
「庶民的なものだね」
「大阪のそうしたものを食べて」
「それで作品にも出していた」
「そうだったんだね」
「そうだよ、そしてね」
 それでというのです。
「この湯豆腐もね」
「食べていたんだ」
「そうだったんだ」
「織田作さんも」
「そして作品にも書いていてね」
 それでというのです。
「僕達も食べているんだ」
「食い道楽でも決して高くない」
「それでいて美味しいお店だね」
「大阪にある」
「そうしたものを食べていたんだね」
「そして作品にも出しているんだね」
「お酒は飲まなかったけれど」
 それでもというのです。
「食べることは好きなんだ、あと関東煮だけれど」
「あの食べもの美味しかったね」
「かなりね」
「関東のおでんだっていうけれどね」
「薄口醤油で鯨のころも入っていて」
「それで美味しかったね」
「あれは調べたら何でも関東からかっていうと」 
 あちらから入ったかというと、というのです。
「違うみたいだよ」
「あれっ、そうなんだ」
「関東から入ったから関東煮と思っていたら」
「違ったんだ」
「そうだったの」
「関東じゃなくて広東で」
 それでというのです。
「それが言葉がなまってね」
「関東になったんだ」
「本当は中国の広東なの」
「そうだったんだ」
「どうもね、そして広東にああしたお料理があって」
 先生は湯豆腐をぽん酢で食べつつ言いました。
「日本に入ってね」
「そうしてなんだ」
「関東煮になったんだ」
「そうなんだ」
「そして大阪のおでんは」
 こちらはといいますと。
「お味噌だよ」
「それだよね」
「本来はそちらで味付けしていて」
「関東煮とは違うね」
「そうよね」
「そうだよ、しかし僕も前に来た時は知らなかったよ」
 大阪にというのです。
「関東煮は実は広東だったなんてね」
「先生も知らないことあるんだ」
「それだけ博識なのに」
「それでもなんだ」
「人の知識は僅かだよ」 
 先生は皆に笑ってお話しました。 
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