先輩の為にやっていく
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第四章
ひかるは海斗に弁当、バスケットのそれを出した。そうして言った。
「持って来ました」
「サンドイッチとだね」
「はい、林檎ジュースです」
その二つだというのだ。
「持って来ました」
「有り難う、それじゃあ」
「今からですね」
「頂くよ」
「お願いします」
こうしてだった、二人でそのサンドイッチと林檎ジュースを口にした、すると海斗は満面の笑みで言った。
「うん、これはね」
「美味しいですか」
「凄くね」
こうひかるに答えた。
「これはいいよ」
「そこまで美味しいですか」
「本当にね、卵もハムも野菜もね」
どのサンドイッチもというのだ。
「凄く美味しいよ、ツナもね」
「はじめてですが」
「いや、はじめてでもね」
それでもという返事だった。
「凄くね」
「美味しいですか」
「有り難う、だからお礼にね」
海斗はサンドイッチを食べつつひかるに話した、彼女が作ってくれたそのサンドイッチの味を心から楽しんでもいた。
「お昼の後でクレープご馳走するよ」
「クレープですか」
「ひかるちゃんクレープ好きだよね」
「大好きです」
返事は一つだった。
「本当に」
「そうだね、それじゃあね」
「クレープをね」
ひかるの大好物のそれをというのだ。
「ご馳走するよ」
「それじゃあ」
「一緒に食べようね、クレープも」
海斗は笑顔のまま言った、そして実際にだった。
海斗はひかるにクレープをご馳走した、自分の為に頑張って作ってくれたことが食べてみてわかったからだ。
それでひかるはクレープを食べて満面の笑顔になりその後も遊園地を楽しんだ、そして家に帰って母に話した。父はこの時家の犬の散歩に出ていたので母と娘の二人で話した。
その話を聞いてだ、母は言った。
「いい思い出になるわね、絶対に」
「そうなのね」
「そして人生の財産にね」
「なるのね」
「誰かの為に一生懸命やってね」
「それでその人が笑顔になったら」
「これはとてもいいことだからね」
「それで財産になるのね」
「ええ、けれどね」
ここで母は娘にこうも話した。
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