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先輩の為にやっていく

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第二章

「作るし」
「そうするのね」
「そちらもね」
「林檎ジュースはミキサーで作るわね」
「そうするわ。レシピを見て」 
 そうしてというのだ。
「サンドイッチの方もね」
「そうして作るのね」
「そうするわ」
「チャレンジね」
 母は半ば呆れ半ば感嘆して言った。
「そりゃ毎日お料理は作ってるけれど」
「先輩のお弁当ね」
「お家でもそうしてるしね」
 母と共にそうしているのだ。
「はじめてでもやるのね」
「先輩が食べたいって言ったから」
「それでなのね」
「先輩が食べたいって言ったら」
 それならとだ、ひかるはさらに話した。
「私何でも作るわ」
「難しいお料理でも」
「そう、作って」
 そしてというのだ。
「そのうえでね」
「食べてもらうのね」
「そうするわ」
「はじめてのメニューは勇気がいるわよ」
 作りそして食べるにはというのだ。
「どうしてもね」
「特に人に食べてもらうなら」
「それならね、けれどなのね」
「ええ、先輩の為だから」
 それでというのだ。
「作るわね」
「そうして食べてもらうのね」
「だから今必死にね」
 まさにというのだ。
「作ってるの」
「美味しくなる様に」
「そう、折角作るから」  
 はじめてであるのは事実だが、というのだ。
「そうするわ」
「真剣ね」
「そう、はじめてでも」
 このことはひかるも自覚している、それでかなり慎重になっているのは事実だ。それで作りながら言うのだ。
「必死にね」
「作っているわね」
「美味しくなる様に」
「そうよね、誰かの為なら」
 母はこうも言った。
「人は必死になれるのよね」
「そうなのね」
「ええ、自分の為の時以上にね」
「そうなの」
「そう、自分だけの人なんてね」
 それこそとだ、母はこうも言った。
「所詮よ」
「所詮なの」
「たかが知れてるのよ」 
 こう娘に話した。
「それはね」
「そうなのね」
「だからね」  
 母はさらに話した。 
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