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オズの木挽きの馬

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第一幕その八

「和歌みたいね」
「ああ、日本の詩だね」
「はい、それみたいに」
「そうだね、和歌では紅葉も歌うね」
「川を流れる紅葉の葉を」
「この風景はまさに和歌なんだね」
 モジャボロはしみじみとして言いました。
「そうなんだね」
「和歌ですと山の中の川を歌っています」
「へえ、それはいいね」
「和歌は自然の美しさもよく歌いますので」
「それでだね」
「この前学校の授業で習ったばかりですが」
 それでもというのです。
「先生に教えてもらってです」
「頭に入ったんだね」
「そのことが」
「そうなんだね、自然を奇麗に歌うんだね」
「そして恋愛も」
 こちらもというのです。
「そうしています」
「それが日本の和歌だね」
「短冊に筆で書きますと」 
 その和歌をというのです。
「本格的ですね」
「うん、何か日本ってね」
 モジャボロはこうも言いました。
「本当に独特のものがあるね」
「そうした国ですか」
「うん、いつも思うよ」
「というかオズの国と同じ位不思議な国だよ」
 こう言ったのは木挽木の馬でした。
「聞けば聞く程こう思うよ」
「そうなのね」
「だって和歌もあればお侍も忍者もいるじゃない」
「忍者ね」
「オズの国には忍者もいるけれど」 
 この人達もというのです。
「とても不思議で恰好いい人達だよ」
「何ていうか奇天烈で痛快で」
 ガラスの猫は忍者についてこう言いました。
「凄い人達よ」
「忍者って外国の人達から大人気なのよね」
 恵梨香はガラスの猫にも答えました。
「何かと」
「だって恰好いいから」
「あの忍者装束もね」
「身のこなしは凄くて」
「忍術も使えるからよ」
 ジョージ達四人は恵梨香に笑顔でお話しました。
「忍者の道具もそれも恰好いいし」
「素早くて隠れることが上手」
「そして着実に仕事をこなす」
「身体能力も凄いし」
「まあ実際は忍者って戦うことはしなくて」
 皆が言う様にというのです。
「隠れることが多かったのよ」
「そうだよね、実は」
「五遁の術を使ってね」
「あらゆるところに隠れる」
「それが忍者の本質よね」
「だからね」
 それでというのです。
「実際は痛快でもないけれど」
「オズの国の忍者は痛快だから」
 木挽きの馬はそこはと言いました。
「忍術もね」
「そうなの」
「魔法みたいだからね」
「けれど魔法じゃないわよ」
 恵梨香はそこはと答えました。 
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