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気難爺さんとパグ

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第二章

 パグ、ゴンと名付けた彼との生活をはじめた。毎朝起きると餌と水をやるがその前に絶対に散歩に夫婦で出た。それでだった。
 毎朝早く起きて身体を動かした、それから朝ご飯を食べるが。
 妻はゴンの話ばかりする、その言うことはというと。
「ブラッシングもしないとね」
「ゴンの毛もか」
「今日ブラシ買って来るから」
「早速か」
「ワンちゃんにはそれも必要だからよ」 
 ブラッシングもというのだ。
「そうするわね」
「そうか」
「あと色々なおもちゃも買ってあげてね」
 こちらの話もした。
「それでドッグフードだけじゃなくてミルクもおやつもね」
「買うんだな」
「それで飲んで食べてもらいましょう」
「全く、犬ばかりだな」
「いいじゃない、ぼけないし」 
 妻はとにかくこちらの話をした。
「いつも何かを考えてそれできちんとした生活をしていたら」
「ぼけないか」
「そうよ、お散歩にも出て運動にもなるしね」
「ふん、そんなの犬がいなくてもいいだろ」
「そう言って結局しないものでしょ人って」
 運動なり何なり必要なことでもというのだ。
「怠けたりするから」
「わしは違うぞ」
「そう言っている人程わからないわよ」
「ああ言えばこう言うだな」
 夫はいつも憮然として応えた、だが。
 彼も気難しい顔でもだった。
 ゴンの散歩にいつも行っていてご飯も水もあげておやつもあげた、そして。
 おもちゃで遊んでやったりもした、勿論狂犬病の予防接種も連れて行って獣医にも診せた。そして髪の毛がすっかりなくなっていう歳老いた院長に言った。
「ジステンバーとかもあったな」
「あれは怖いですから」
「ちゃんとしてくれるか」
「はい、そうします」
「あと身体に何か悪いところがあったらな」
 ゴンを診せつつ言う、病院そのものに怯えている彼の傍から離れない。
「教えてくれ、それで治してくれ」
「そうしますので」
「あと蚤とかもな」
「そのこともですね」
 今度は茶色で細い毛をショートにした大きな優しい感じの目の若い女性の獣医にも話した、この獣医の名を福本由衣という。由衣はすぐに応えた。
「はい、それ用のお薬も出します」
「頼むな」
「あと定期的にシャンプーも」
「動物用のサロンか」
「行かれていますか」
「女房が近所に見付けてきた」
 すぐに由衣に答えた。
「そこに四ヶ月に一回位連れて行っている」
「そうですか」
「少ないか」
「まあそれ位かも知れないですね」
 少なくないとだ、由衣は答えた。
「半年に一回という人もいますし」
「そうか」
「やっぱりワンちゃんも清潔に越したことはないですから」
「だからだな」
「いいかと」
「ならな、このままいく」
 佐藤は由衣のその言葉に頷いて応えた。
「それでな」
「その様に」
 由衣は笑顔で応えた、そうして佐藤は病院でゴンのことを細かいところまであれこれ話して診てもらった。それは常で。
 彼はゴンを獣医に連れて行くことも何か言うがそれでも欠かさなかった、そして犬のことをいつも勉強して本を読んでスマートフォンでサイトで調べてだった。
 犬のことをよく知る様になった、それで妻に家で昼食を食べつつ言った。メニューは味噌汁とほうれん草のひたしにハムそれに白いご飯だった。 
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