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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)

作者:あちゃ
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やり甲斐

<海上>

スーからの大河を抜け、左側に陸地が見える様進むアルル一行…
不意にリュカがモニカへ質問する。
「…今、何処に向かっているの?」
「何言ってんだ、お前!?何処って………何処?」
呆れた口調でリュカを見下したモニカだが、自分も行き先を知らない事を思い出し、間抜けな口調でアルルに問いかける。

「何だよ…船長が目的地を把握してないのかよ…陸沿いを進んでるから、てっきりあの爺さんの言っていた場所へ向かってるのかと思った…」
「何だい?あの爺さんの言っていた場所ってのは?」
リュカがモニカに懇切丁寧に説明する…それを見ていてカンダタがハラハラする…更にそれを見たマリーがワクワクしていた事は内緒である。



「…そんな町、知らないねぇ…アタイ等も何度かこの辺りには来たけど、町なんて無かったよ!平原に変な爺さんが一人居るだけだねぇ…」
モニカは水夫等と顔を見合わせ、リュカ達に持っている情報を提示した。
「じゃぁ、その爺さんが町を造りたがっている人なのかなぁ?何か僕等に出来る事はあるかな?もし元の世界へ帰れなかった時用に、町造りの手伝いをしておいた方が、後日優遇されるかも!」

こうして不純な動機で目的地が定まった…
アルルとティミーは「そんな無駄な事してないで、先を急ぎましょう!」と進言したが「無駄とは限らないだろ!何れ重要な事へと繋がるかもしれないだろ!」とリュカに言われ、従わざるを得なくなる…
口の上手いリュカに敵うわけ無いのだ…


<スーより東の平原>

其処には小さな小屋が1軒あり、池を挟んで向かい側には建設中の建物がある、奇妙な場所にアルル一行は辿り着いた。
「以前来た時は、あの小屋が1つあるだけだったんだ」
モニカが小さな小屋を指差し説明してると、その小屋から1人の老人と1人の若い女性が姿を現した。

「あ!!も、もしかしてリュカはん!?やっぱりそうや!リュカはんや!!」
なんと女性はエコナであった!
マリーの起こした津波に攫われ、はぐれてしまったエコナが元気な姿で此処に居る!
エコナは勢い良くリュカに抱き付き、徐にキスをする。
誰に見られようがお構いなしだ!

「…んっぷは!エ、エコナ…無事だったんだね!?」
エコナのキスから口を離し、彼女の無事を確認する。
「ご心配掛けて申し訳ない…でも、ウチはこの通り元気や!この近くの海岸に打ち上げられたのを、この爺さんに助けられ介抱してもろたんや!」
「「エコナ!!」」
叫ぶ様な声でエコナの名を呼び、泣きながら抱き付くアルルとハツキ。
「無事で…本当に良かった…!」
「ありがとうな…アルル、ハツキ……ウチはメッチャ元気やで!」

「あ…あのぅ…エコナ様………ごめんなさい…」
アルル・ハツキ・エコナが抱き合い喜んでいる側で、マリーが泣きながら謝る。
「私の所為で…ごめんなさい!」
「マリーちゃん…気にする必要ないねんで!ウチは無事やったんやから…泣かんといて」
エコナはマリーを胸に抱き、優しく慰める。
「それにウチ、感謝してるんやで!」
泣いていたマリーが顔を上げ、不思議そうにエコナを見つめる。
他の皆も同じ様な顔をしている。

「ウチな…此処で町を造るんや!あの爺さんに協力して、ウチが町を造るんや!……波に攫われてなかったら、こんなチャンスには巡り会えへんかったんやで!!」
「え!?どういう事?…この爺さん、エコナの旦那様?」
「何でやねん!何でこんな枯れ果てたEDと結婚せなあかんねん!!」
「エ、エコナさん…落ち着いて!」
リュカの一言に、暴言吐きまくりで突っ込むエコナ…
それを宥めるティミー。

「ワシ、エコナ、見つけた!海で…、ワシ、思った。エコナ、出来る!町、造る事、エコナ、出来る!!」
老人が必死でアルル達に訴える。
「………そう言うわけや。ウチ、この爺さんに助けられ話を聞いたんや…そんでチャンスやと思うたんよ!…せやからごめんなアルル!ウチ…これ以上は一緒に冒険出来んねん!此処に残って町を造るから……」
俯きながらも自分の気持ちを言い切るエコナ。

「気にしないでエコナ…貴女は自分の夢を見つけたのだから…それに向かって頑張って!」
申し訳なさそうなエコナに対し、優しく笑顔で励ますアルル。
エコナが無事だった事もあり、皆晴れやかな心で祝福している。
そんな中、マリー一人だけが不安気な顔でエコナを見つめる。

「あ、あの…エコナ様…無理をされてはダメですよ!」
「どうしたん、マリーちゃん?ウチ、無理なんてしてへんよ」
「そうじゃないんです…町を造るって、大変な事だと思いますぅ。エコナ様は凄い人だから町造りの先頭に立って、活躍されると思いますぅ…」
「ありがと、マリーちゃん…」

「でも町を造るって、一人じゃ出来ません!町が大きくなればなるほど、大勢の人が協力し合い町を発展させて行くと思いますぅ!そんな時、無理をしてはダメですよ。漁ってはダメですよ。休む事も必要なんですから…」
必死に何かを訴えるマリー…
やはり津波を起こし、海を漂流させてしまった事を気にしている様だ…

「良い子やなマリーちゃんは!さすがリュカはんの娘やね。息子とは血が繋がっているか疑問やけど、マリーちゃんは間違いなくリュカはんの娘やね!」
エコナはマリーを抱き締め、チラリとティミーの事を見る。
「…マリーが良い子なのは同意する!まったくその通りだ!…だがイコール父さんの娘ってのが気に入らない!母さんの血を引くから、マリーは良い子なのであって、父さんの血は邪魔だ!」

「ビアンカさん、聞きました!?貴女の息子は日に日に父親に対して態度が酷くなりますが、どういった教育をされてらっしゃるの?」
ティミーの発言を聞き、リュカが卑屈にビアンカに訴える。
「私の教育は間違ってないわ!きっと父親の影響よ。…血筋って怖いわぁ~」
エコナを始め不安気だったマリー、カンダタまでもが大爆笑する!
リュカは苦笑い…ティミーは憮然とした表情で父親を見る…

一頻り笑いアルルがエコナに一時の別れを告げようとした時…
「みんな!ウチ…必ずこの町を立派にしてみせる!せやからちょくちょく遊びに来てや!」
「うん!楽しみにしてるからね!エコナ…頑張ってね!」
アルルとエコナが握手を交わす。

「ところエコナ…町の名前は?」
素朴な疑問をウルフがぶつける。
「よくぞ聞いてくれた!『エコナバーグ』や!この町は『エコナバーグ』や!!世界中に広めておいてや!『エコナバーグ』の名を!」
「スピルバーグみたいな名前だな…」
「何やそれ?」
リュカが思わず口にした言葉に、皆が不思議がっている。
「あぁ…気にしないでいいよ。言ってみただけだから…」

リュカの不思議な発言があったが、改めてエコナに別れを告げて、再び船で最後の鍵を求める一行。
心からエコナの成功を祈り、彼女の為に世界を平和にしようと、改めて心に誓うアルル…
何時の日か皆で祝杯を交わせる日まで…



 
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