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ハイスクールD×D~妹様な転生者~

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第4話 狂気の斬滅メイドとスペルカード?

 
前書き

遅れましたぁ………
待ってた人達………本当にごめんなさい。
たぶん来週辺りにはこの忙しさが一段落しますのでどうかご容赦を………

 

 
 

「死んでフランお嬢様に非礼を詫びろ!!」

白刃が煌めく………イッセーの首と胴体を真っ二つに斬り離す為に………

「イッセー!!」

とっさに私はイッセーを右手で抱きしめてその向かってくる刃を左手の爪で受け止め、激しい火花を飛び散らせながらもその白刃を逸らす事に成功した。

そして受け止め切ったのを確認した私はほぼ反射的に両足で地面を蹴る事でイッセーを抱えたまま飛び上がるようにして後ろに一回転しながら立ち上がる。

「くっ、"三成(みつなり)"!!」

私は刀を鞘に納め、再び抜刀の構えをとるメイドの名前を呼ぶが………

「………」

三成はあの黒耀石のように綺麗な漆黒の瞳をどす黒く濁った深紅に染めたままイッセーのみを見つめ続けている。
どうやらイッセーを標的にした状態で"彼女の能力"が発動している為にイッセーしか彼女の視界には映っていないらしい。

「"恐惶"かぁ………"家康"がいればそっちに狙いがいくんだけど………」

私は制服の右ポケットに手を入れて………

「あれ?たしかここに入れてたはずなんだけど………」

ポケットの中に目的の物が無い事に気が付いた私は反対側のポケットにも手を入れる………しかし、見つからないので今度は胸元のボタンを開いて手を入れた。

「ちょっ!?ブフッ!!」

後ろでイッセーのそんな声が聞こえてきたので目的の"アレ"を探しながら振り返ると鼻からの出血を抑えるイッセーの姿が見える。
しかもその視線は私の胸元から離れていない。



だけど………それは私も一緒だ。



「ハァハァハァ………ゴクリッ」



イッセーの鼻から流れる赤い血が私に凄まじいまでの喉の渇きをもたらしてくるのだ。
そんな事をする余裕なんて無いはずなのに渇きが収まらない。
まるでイッセーの血が特別であるかのように………

「フ、フラン?」

「ッ!?」

イッセーの不安げなその言葉に正気に戻った私は慌てて前を見ると………三成の姿は無く私のすぐ目の前まで来ており、その手は刀の柄に掛かっているのが見えた。

「フランッ!!」

「きゃぁ!?」

それは一瞬の出来事だった。

「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

真紅の液体と誰かの腕が宙に舞う。
そして連鎖的にその腕の持ち主であろう苦痛の叫び声が部屋に響き渡った。

「そんな………イッセー!!」

私を庇う為に前に出て肘の部分から斬り落とされてしまった左腕を押さえるようにして倒れ込み、苦痛に顔を歪ませるイッセーを見た私は胸元にある固い物体をようやく掴み取ることに成功し………その原因となったメイドを睨み叫びながら服が破れるのも構わず、その物体を人差し指と中指で挟んだ状態で取り出す。



「"スペルカード"!!………禁忌『クランベリートラップ』!!」



私がその物体………銀色のラインが幾何学的な模様を刻む黒色のカードに記された文字を読み上げるとカードが深紅の閃光を放ち、三成の周囲全てを野球ボールほどの魔力弾が取り囲んでいた。



「甘い罠は………好き?」



私が唇に人差し指を当てながらそう言うと魔力弾は三成に向かって襲い掛かる。
しかし、三成もその弾幕の包囲網から抜け出す為に彼女だけが使える高速移動術である"刹那"を連続で使用しながら接近してきた。



だけどそれは予想の範囲内。



「抵抗するごとにその罠は貴女を苦しめる」



私がそう呟くと三成を襲っていた弾幕は段々と数を増やして三成の逃げ場を奪っていく。
実際、三成は数発すでに被弾し始めており、その頻度は弾幕が増えるごとに多くなっている。

「ガ……ァッ!!」

被弾しながらも"刹那"で避け続けた三成も流石に絶え間無く続く弾幕を回避し続けるのには無理があったのかそんな呻き声とともに弾幕の雨に沈んでいった。

「試作品とはいえ非殺傷設定が可能なこの大図書館たるパチェ謹製の"スペルカード"で攻撃した事を感謝することね………イッセー!!」

私はその光景を最後まで見ることなく振り返り、左腕を切断された重傷であるはずのイッセーの方に駆け寄ると

「フ……ラン………ケガ………しなかったか?」

イッセーは苦痛に顔を歪ませながら私の心配をしてくる。
だけど………切断された左腕からの出血は止まる気配がなく、徐々にイッセーの顔色が青ざめていく様子が見て取れた。

「誰か早く!!イッセーが………イッセーが死んじゃうよ!!」

焦る私がそう言うとパタパタとこちらに駆け寄ってくる足音が聞こえてきて医療器具や魔法薬を持ったメイド達が食堂に入り、イッセーに治療を施していく。
そして治癒魔法が使えるメイドが切断された左腕を繋ぎ合わせる頃にはイッセーは

「魔法ってスゲェー!!」

と治癒魔法を見て子供みたいに喜べるほど回復していた。

「はぁ………もう!イッセーが死んじゃうかと思ったよ!!」

私が涙目になりながら魔法を見て喜び続けるイッセーに怒ると

「うっ………ごめん」

反省したのか素直に謝り顔を俯かせる。
少し怒り過ぎたかな?なんて思いながらイッセーの方を見ると



「でも………フランにケガが無くて良かったよ………それにフランの為なら俺の左腕くらい犠牲にしても守るよ(命の恩人的な意味で)」



しっかりと私の方を向いて笑顔でそう言ってきた。

「っ!?」

それはまさに不意打ちだった。
聞きようによってはそれだけ大切に思われている、もしくは特別な存在として見てもらえてるとも思える発言として取ってもいいほどの殺し文句………
頬に熱が篭り、胸が高鳴り始めたかと思うと私はイッセーを直視できなくなってしまった。

「どうかしたのかフラン?」

そんな私を不思議に思ったのかイッセーが心配そうに見つめてきた瞬間………



「………申し訳ございません!!フランお嬢様!!」



そんな声が聞こえてくる。
その瞬間………今までどこか熱に浮かされていたような気分が嘘みたいに消え去り、氷のように冷たい"ナニ"かが私の中に入ってきた。

「………"石田 三成(いしだ みつなり)"」

私が振り返りながらその声の主の名前を言うと

「申し訳ありませんフランお嬢様………この失態の責任は私の命で償わせてください」

白髪のメイド………三成はその場に正座した状態でイッセーの腕を断ち切った刀を首に当ている。
恐らく死んで詫びるつもりなのだろうけど、それじゃあイッセーが腕を斬られた上に目の前で一人のメイドの自殺する瞬間を見るなんて最悪の一日を迎えてしまう………それなら他に有効活用するべきだ。

なんたって彼女は日本の中では有名な武将である"石田 三成の子孫"であり、稀有な"神器(セイクリッド・ギア)"の保持者なのだから………

「三成、貴女に今回の件での責任を取ってもらいます………今日より私の友達であるイッセーに誠心誠意真心を込めて尽くし仕えなさい。これは命令ですよ?」

私は悪戯を思い付いた子供のように微笑みながらそう命じた。

「はっ!覚悟は出来て………へ?」

おそらく私はこの日の事を一生忘れないと思う。
だって………いつも仏頂面か無表情の三成のキョトンとした本当に珍しい表情が見れたのだから………





 
 

 
後書き

はてさてこの斬滅メイドからお世話をしてもらうイッセーの運命やいかに?

 
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