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ドリトル先生と姫路城のお姫様

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第十一幕その五

「よいな」
「それでは」
「さて、次は狂言じゃが」
「これも面白いですよね」
「演目は蝸牛じゃ」
 これを行うというのです。
「よい演目じゃ」
「そうですね、では」
「それも楽しんでもらいたい」
「そうさせてもらいます」
「そしてじゃ」
「狂言の後で」
「いよいよじゃ」
 お姫様はアヒージョを食べつつ言いました、貝類も茸もガーリックと一緒に熱いオリーブの中でよく煮られていてとても美味しいです。
「花火じゃ」
「冬の花火ですね」
「太宰じゃな」
 お姫様はその冬の花火を書いた人の名前を出しました。
「あの人であるが」
「これはと思いまして」
「さて、ではな」
「あの作品とは違って」
「楽しむとしよう」
「冬の花火は」
 亀姫が言うにはです。
「スキー場では多いです」
「うむ、六甲でもな」
「打ち上げられますね」
「そうであるがのう」
「私達が楽しむことは」
「なかったからのう」
 それでというのです。
「何かとじゃ」
「楽しみですね」
「不安もあるがのう」
「冬の夜空に花火が合うか」
「それがな」
「だからですね」
「不安も感じる、しかしな」
 それと共にというのです。
「それ以上に楽しみである」
「どういったものかと」
「何かとな、ではな」
「これからですね」
「花火も観ようぞ」 
 狂言の後で、というのです。
 そしてそのうえで狂言の蝸牛が終わってからでした、花火となりましたが天守閣の後ろの夜空に咲く大輪を観てです。
 お姫様は頷いてから言いました。
「これからはな」
「冬もですね」
「花火を打ち上げようぞ」
 そうすると言うのです。
「そしてじゃ」
「そうしてですね」
「そうじゃ、楽しむ」
 まさにというのです。
「雨や雪の時以外はな」
「雨にしても雪にしても」
「それはそれでよいからのう」
「雨なぞ降るもおかしですね」
「それじゃ」
 お姫様は富姫が出した枕草子の言葉に応えました。
「まさにじゃ」
「雨もですね」
「そして雪もじゃ」
 こちらもというのです。
「そういったものもよいからな」
「降った時はそちらを楽しみ」
「そして今はじゃ」
「こうしてですね」
「花火を楽しもうぞ」
 こう言って花火を観るのでした、大輪達が次々に咲いています。 
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