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ドリトル先生と姫路城のお姫様

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第五幕その十二

「それでもね」
「姫路城も築いたから」
「このお城のお姫様にもお会いしていた」
「それも最初にお会いしていた人だったんだね」
「どうもね、あと宮本武蔵さんの逸話は」 
 この人はといいまうと。
「天守物語の元かもね」
「あっ、そうなんだ」
「あの人のお話がなんだ」
「天守物語の原型なんだ」
「そうなっているんだ」
「そうみたいだよ、この人のお話も」
 宮本武蔵とおさかべ姫のお話もというのです。
「どうもね」
「創作なんだ」
「実際のお話じゃないんだ」
「そうなのね」
「そうみたいだよ、宮本武蔵といえば」
 この人についてはこう言った先生でした。
「有名な逸話が多いね」
「佐々木小次郎とのライバル関係とかね」
「巌流島の決闘とか」
「あと吉岡一門との果し合いね」
「鎖鎌の名人とも戦ってるよ」
「子供の頃木に吊るされたね」
「その殆どが創作だからね」
 その実はというのです。
「これがね」
「えっ、そうなの」
「殆どそうだったの」
「佐々木小次郎との勝負にしても」
「そうだったのね」
「佐々木小次郎は一応実在人物らしいけれど」
 それでもというのです。
「武蔵と同じ位の年齢じゃなかったっていう説もあるから」
「へえ、そうだったんだ」
「そこも違っていたんだ」
「佐々木小次郎にしても」
「実在していても」
「そうだよ、吉岡一門なんて滅んだと思われていたけれど」
 果し合いの結果です。
「今もお家あるからね」
「ううん、そうだったんだ」
「宮本武蔵さんについては」
「殆ど創作だったんだ」
「吉川英治の小説の影響が大きいから」
 その殆どは小説のことだったというのです。
「だからね」
「姫路城のお話にしても」
「その実はわからないのね」
「創作だった可能性が高い」
「そういうことね」
「そのことも覚えておいてね」
 宮本武蔵のこともというのです、そうしたお話をしてでした。
 お茶を飲んでお菓子を食べ終えた先生達はいよいよ天守閣に入りました。壮麗でかつ言い伝えもあるその場所に。 
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