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遺跡に残されたもの

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第二章

「危険があるので」
「一人で行くよりはですね」
「何人かで行くべきです」
「今回は同行する同業者の人がいないで」
 それでというのだ。
「私一人で行こうと思っていましたが」
「先生お一人では危険です」
 ダリーオは先生にはっきりとした声で告げた。
「幾ら安全といっても」
「何があるかわからないですか」
「事故もあります」
 モンスターや賊がおらずともというのだ。
「その時お一人ではです」
「危険ですか」
「それも非常に、ですから」
 それ故にというのだ。
「この度はです」
「お二人がですね」
「同行させてもらいます、市役所からの依頼なので」
 ギルドからでなくというのだ、依頼者が報酬を支払うシステムを採用している。
「もう報酬のこともです」
「気にしなくていいですか」
「はい、そして」
 そのうえでというのだ。
「僕達は先生がこの街に戻られるまで」
「警護を続けてくれますか」
「そして調査や研究も出来るなら」
 ダリーオは学者ではない、風水師だ。その為知力は高くとも専門職ではない。だがそれでもというのだ。彼の好奇心から。
「お手伝いさせてもらえれば」
「有り難いとですか」
「申し上げさせて頂きます」
「わしもですさかい」
 セプルベダも先生に笑顔で言ってきた。
「勉強はまあ普通レベルであまりですが」
「それでもですか」
「力仕事は出来ますから」 
 彼は自分の職業が闘士であることから言った、また鬼族であるので力についても自信があった。
「安心して下さい」
「そうですか、では」
「今からですね」
「遺跡に行きましょう」
 先生はダリーオに優しい言葉で答えた、二人が後で知ったことであるが先生は心優しく公平な先生として生徒達から慕われていた。その先生と共にだった。
 ダリーオとセプルベダは街の郊外にある遺跡に向かった、その途中は安全でモンスターも出なかった。そして遺跡の入り口に至るとだ。
 先生はダリーオ達にこうしたことを言った。
「では中に入りましょう」
「今からですね」
「そしてです」
「調査の開始ですね」
「今回の調査では」 
 先生は真面目な声で話した。
「前回の調査のさらに先にです」
「進まれますか」
「はい、まあその先も」 
 安心しきっている言葉だった、何一つとして心配のない。
「大丈夫です」
「そうですか」
「はい、本当に何もいない遺跡ですから」
 だからだというのだ。
「安心して下さい」
「そうだといいですが」
 ダリーオは何の心配もしていない先生にかえって不安を感じながらだった、そのうえでセプルベダと共に先生をサポートしつつ先に進んだ。すると。
 早速多くの毒蛇や大蠍が出て来た、そうしてダリーオ達に向かってきたがダリーオは即座に自身の自然を操る風水師の術を使った。
 すると毒蛇や大蠍達を落盤や鎌ィ足が襲ってそれで倒した、先生はその毒蛇や大蠍達を見て眉を顰めさせた。 
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