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オズのファイター大尉

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第四幕その三

「出来ないわね」
「そうだよね」
「それが出来るのは」
「本当に木挽きの馬か」
「赤兎馬よ」
「特別な馬だってことだね」
「赤兎馬はかなり大きいし見事な体格だから」
 それでとです、関羽さんは二人に答えました。
「出来るんだ」
「そうだよね」
「逆に言うと私は大きいね」
「凄くね」
 その通りだとです、トトは関羽さんに答えました。
「プロレスラーでもアメリカンフットボーラーでも」
「私の様にはだね」
「大きな人はそうそういないから」
「それでだね」
「そう、赤兎馬でないと」
 それこそというのです。
「関羽さんは乗せられないよ」
「私も困っていたんだよ」
「赤兎馬に出会うまではだね」
「この通りの身体だからね」
「他の馬は乗せられないね」
「乗せられても負担が大きいのだよ」
 関羽さんを乗せる馬のです。
「まさに赤兎馬こそだよ」
「関羽さんを乗せられるんだね」
「そうなんだね」
「しかもその青龍偃月刀は」 
 ドロシーは関羽さんが右手に持っている武器を見ました、薙刀にも似ていますが薙刀より遥かに大きいです。
「重いわね」
「確か二十キロ以上あった筈だよ」
 ここでこう言ったのは樵でした。
「だから他の人ではね」
「使えないのね」
「使うどころか持つだけでも大変だよ」
「そうよね、私だったら」
 ドロシーは自分が青龍偃月刀を持てるかどうかから考えて言いました。
「持ったら」
「それだけでだね」
「重さで潰れるかしら」
「そうなるかもね、僕もね」
 樵もというのです。
「斧は持てても」
「青龍偃月刀は」
「流石にね」
 どうにもというのです。
「持つことは出来ても」
「使いこなすことは」
「出来ないよ」
 それはというのです。
「誰もね」
「勿論私もだよ」
 大尉もその青龍偃月刀を見ています。
「これだけの武器はね」
「そうよね、関羽さんのお力がないと」
「使えるものじゃないよ」
「そこも凄いところですよね」
 神宝は関羽さんを誰よりも憧れる目で見つつ大尉達に言いました。
「関羽さんの」
「そうだね、だから関羽さんは凄いんだよね」
「しかも学問も出来て」
 見れば関羽さんの左手には書があります。
「読書家なんですよ」
「いやいや、軍を率いる者は書を読み兵法そして人の道を知らないと」
 関羽さんが言ってきました。
「ただ武器を持って戦うだけだから」
「それでなんですか」
「私は学問もしてきたのだよ」
「色々な書を読まれているんですね」
「今は王立大学にも行って」
 そのうえでというのです。
「書を読んでいるよ、そしてね」
「武芸もですね」
「今も鍛錬は続けているよ」
「その青龍偃月刀を振るって馬に乗られて」
「日々文武の鍛錬は怠っていないよ」
「関羽さんは努力家なんだね」
 トトは今このことを知りました。 
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