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ドリトル先生と日本の鉄道

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第十幕その八

「長城は国防だし度量衡や文字、道の統一も国家として絶対しないといけなかったしね」
「そういうのが一つじゃないとね」
「本当に困るし」
「線路の幅だってね」
「一つじゃないと困るから」
「そうだね。線路の幅も問題なんだよ」
 鉄道のこのこともというのです。
「日本は同じ企業でも線路の幅が違う場合もあるし」
「八条鉄道は統一されてるのよね」
「そうよね」
「日本全国の路線が同じ線路の幅で」
「八条鉄道の列車なら何処でも走られるのよね」
「八条鉄道が創業された時に決められたんだ」
 もうその時にというのです。
「線路の幅は全部一つにして」
「そうしてなんだ」
「どんな車両でも走られる様にしたのね」
「もうその時から」
「さもないと色々問題が出るからね」
 車両によっては知られない線路が出てしまってです。
「そうしたんだ」
「成程ね」
「それはいいことだね」
「最初から線路の幅を統一していたことは」
「いいことだったわね」
「そうだね、だから始皇帝の政策は急激過ぎて批判されるものも多いけれど」
 国力を使って焚書坑儒みたいなこともしてきたからです。
「けれどおおむね間違っていなくて」
「秦の為の政策で」
「後の中国にも役立ったのかな」
「そうした政策だったのね」
「そうだよ、実際秦から漢で中国はかなり形成されたし」
 この国自体がというのです。
「始皇帝は大筋において間違えてはいなかったんだ」
「そして鉄道がある時代だったら」
「始皇帝は線路を全土に敷かせていた」
「そうしていたのね」
「絶対にそうだったと思うよ。それに始皇帝は旅行も好きだったんだ」
 このことについてもお話した先生でした。
「何度も巡幸で全土を巡っているけれど」
「それが旅行ね」
「国のあちこちに行くことも」
「そのことも」
「そうだよ、だから鉄道にも乗って」
 そうしてというのです。
「全土を旅していただろうね」
「そう思うと面白いね」
「列車に乗って国全土を旅する始皇帝とか」
「想像してみるだけで面白いわね」
「そうしたことも」
「そうだね、ただ始皇帝は不老不死を求めて」
 またこのお話をする先生でした。
「そうしたお薬も飲んでいたけれど」
「実際に飲んでいたんだ」
「そうだったの」
「不老不死になろうとして」
「そうしていたんだ」
「そうだったんだ、けれどこのお薬の中に」
 先生はここで少し深刻なお顔になって言いました。
「水銀が入っていたりしたんだ」
「えっ、水銀って」
「水銀は飲んだら駄目だよ」
「あんなの飲んだら」
「もうどれだけ身体に悪いか」
「水銀中毒になるわよ」
「どんでもないことになるから」
 動物の皆は水銀と聞いて一斉に言いました。
「身体に物凄く悪いのに」
「あんなの飲んで大丈夫?」
「そんなことして」
「だからどうも水銀中毒でね」
 実際にそうなってしまってというのです。
「始皇帝は死んだとも言われているよ」
「不老不死になるどころか」
「かえってその為になるお薬で死んでしまったの」
「水銀のせいで」
「そうだったの」
「不老不死のお薬に長い間水銀が使われていたんだ」
 先生は皆にさらにお話しました。 
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