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ドリトル先生と日本の鉄道

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第十幕その七

「その可能性は高いみたいだね」
「和歌山の方に徐福さんのお墓あるんだよね」
「そうよね」
「それに徐福さんが行った方角もこっちだし」
「東の海の向こうだったしね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「このお話は信憑性が高いね」
「そうなんだね」
「始皇帝に言われて日本まで来て」
「この国で一生を終えていても」
「不思議じゃないんだね」
「古来から大陸に日本に来た人は多いしね」
 このこともあってというのです。
「だからね、ただ始皇帝という人は色々あった人だね」
「不老不死を求めたり」
「万里の長城を築かせたりしたわね」
「安房宮っていう大きな宮殿を築かせて」
「驪山陵っていう自分のお墓築かせたり」
「何かやけに建築好きな人ね」
「こうして見たらね」
「そうなんだよね、焚書坑儒や度量衡の統一も有名だけれど」
 そうした色々と言われている政策に加えてです。
「とにかく建築が多かったね」
「万里の長城で外敵を防いで」
「とんでもなく大きな宮殿に住もうとして」
「自分が死んだ後に入る巨大なお墓も築かせてね」
「このことで随分と国力を使っていたんだ」
 当時の秦はです。
「元々他の国に好かれていなかった秦が統一して国力を使うつまり民衆に負担がかかる政策を推し進めたからね」
「そういえば度量衡の統一もね」
「秦の基準よね」
「道とか文字も統一していたけれど」
「全部秦の基準だね」
「そうだよ、当時の中国の文献を読むと」
 史記等です、当然先生はこうした本も読んでいます。
「秦という国は好かれていなかったけれど」
「その好かれていない秦が中国を統一して」
「他の国の人達だった人は反発があったし」
「そこに秦が基準の統一政策を一気にやって」
「国力を使う政策も行ったから」
「それで始皇帝が死んですぐに滅んだんだ」
 その秦はというのです。
「急激な政策だったしね」
「そこ大事だよね」
「一つの国に統一されて行っていくうえで絶対にしないといけない政策でもね」
「支持とか考えないとね」
「国力の消耗とかも」
「宮殿も実は他の宮殿を移したみたいにした統一政策の一環だったとも言われていて厳し過ぎるって言われた法治も実は弾力的に施行されていたそうだけれど」
 批判の多いこうした政策もです。
「やっぱり色々な政策を急激に行い過ぎたんだよ」
「それで秦は滅んで」
「後の時代になるのね」
「あの漢が建国されて」
「以後の中国がはじまっていくのね」
「そうだよ、ただ始皇帝は道も統一して熱心に整えていたから」
 このことからもお話する先生でした。
「今の時代だと鉄道もね」
「力を入れていたかも知れないのね」
「政策として」
「そうしていたかも知れないんだ」
「鉄道は本当に人やものを一気に多く運べるからね」
 だからこそというのです。
「始皇帝が十九世紀以降にいたら」
「一気に中国全土に鉄道を敷かせていたのね」
「ひょっとしたら」
「そうだったんだ」
「そうかもね、確かに国力を使っていても」
 それでもというのです。
「行っていたかもね」
「ううん、始皇帝って暴君って言われていたけれど」
「誰も信じなくて冷酷で」
「それで無茶な政策ばかりする」
「そんな人と思っていたら」
「始皇帝なりに秦のことを考えていたんだ」
 そうして政治を行っていたというのです。 
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