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MS Operative Theory

作者:ユリス
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技術解説
  ミノフスキー粒子とMS④


——飛行・起動系MAWS——

 ミノフスキー・クラフトに始まる飛行・機動系MAWSは、長らく大きな変化を見せなかった。しかし、U.C.0140年代後期に入るとサナリィ系組織によって様々な新型機構が実用化された。

■ミノフスキー・クラフト

 一年戦争期に実用化された飛行・機動系MAWS。ユニットの下面にミノフスキー粒子を展開、発生したIフィールドによって浮力を得る。ミノフスキー粒子を展開した空間内に金属などの導電性物質が存在した場合、Iフィールドは霧散するが、ミノフスキー・クラフトではミノフスキー粒子を発生し続けることで、これを解決している。

■ミノフスキー・フライト

 簡易型ミノフスキー・クラフトの一種。ミノフスキー・クラフトは周囲に存在するミノフスキー粒子を利用しているほか、整流効果による揚力の発生も期待できる(空気の流れを作り、翼やリフティングボディで揚力を得る)。このため簡単に小型化できるが、得られる浮力も大きくなく、熱核スラスターや翼との併用が必要である。

■ビーム・ローター

 ベスパの重力下用MSに採用された、簡易型ミノフスキー・クラフト。ビーム・シールドを回転させることで、ビーム面の下に発生する指向性(斥力)の強いIフィールドと、ビーム面の上下でIフィールドの密度が変わることで発生する浮力を利用している。また、ビーム・ローターの回転面を傾けることで推進力を得ている。

■ミノフスキー・ドライブ

 飛行機構としてではなく推進装置として開発されたユニット。それまでの飛行・機動系MAWSは「Iフィールドに浮かぶ」ものだったが、ミノフスキー・ドライブはユニット内に「ミノフスキー・フォースフィールド」を発生させ、その反発力を推進力として使用している。副次効果として「光の翼」と呼ばれるビーム刃が発生する。


——防御系MAWS——

 当初、防御系MAWSは、Iフィールドを対ビーム・バリアに転用したIフィールド・ジェネレーターしかなかったが、ビーム・シールドの開発により、MSなどにも広く装備されるようになった。

■Iフィールド・ジェネレーター

 「Iフィールド偏向器」、「Iフィールド発生器」とも呼ばれる対ビーム・バリア発生装置。一定値以上の圧力を掛けられて整列したIフィールドを対ビーム・バリアとして使用したもの。ただし、使用には莫大なエネルギーが必要となるため、巨大MAなどの大出力気しか装備できない。

▼外装型Iフィールド・ジェネレーター

 独立したIフィールド・ジェネレーターを外装するタイプ。内蔵型と比べて整備性やダメージ・コントロールに優れるが、外部にユニット化されているため、破壊されやすいという欠点もある。RX-78GP03(ガンダム試作3号機)などが装備する。

▼内蔵型Iフィールド・ジェネレーター

 機体や各部ユニットの内部に内蔵するタイプ。装備位置が特定されにくいほか、核反応炉の近くに設置できるためエネルギー効率に優れると考えられる。反面、機体内部に設置されているため、整備性に優れているとは言いがたい。NZ-000(クィン・マンサ)などが装備する。

▼Iフィールドの防御性能

 Iフィールド・ジェネレーターを搭載した機体へのビーム攻撃は、MAのメガ・ビーム砲や戦艦の主砲であっても、全周囲に亘ってほぼ無力化される。ただし、Iフィールドの有効面が限定される機体の場合、全周囲防御は無効となる。

▼Iフィールドへの対応策

 Iフィールド・ジェネレーターを搭載した機体に対しては、実体弾兵器による攻撃や調子近距離でのビーム攻撃(格闘兵装含む)で対処するしかない。また、ジェネレーターが外装式の場合、これを破壊するという方法もある。

■ビーム・シールド

 ビーム・サーベルと同じ原理のビームを、板状に発生させたもの。ビームの形成にはビーム・サーベルと同じくIフィールドを用いるため、メガ粒子砲やビーム・サーベルを防御可能なほか、高圧ビームにより実体弾兵器も阻止できる。新型ジェネレーターを装備したU.C.0100年代のMSを中心に急速に普及した。

▼Iフィールドとの違い

 ビーム・シールドは、ビームだけではなく実体弾も阻止できるが、艦艇が装備するメガ粒子のような強力なビームには貫通されてしまう場合もある。展開面を変化させることも可能だが、その場合、防御面積が狭くなってしまう。

■ビーム・シールドの特殊な使用例

①大気圏突入能力

 ビーム・シールドはミノフスキー・クラフト同様、ミノフスキー・エフェクトによる断熱効果を持つとされ、大気圏突入用のデバイスとしても機能する。これはU.C.0130年代に実証されたといわれる。

②展開面の変化

 ビーム・シールドは有効面が限定されるという欠点を持つが、オーバードライブによって展開面の拡大も可能である。それ以外にもビーム・シールドの形を変化させることで攻撃時の防御力の低下を防ぐといった機能ももつ。


——その他のMAWS——

 メガ粒子砲に始まる攻撃兵器系MAWSやミノフスキー・クラフトなどの飛行・機動系MAWS、Iフィールド・ジェネレーターに代表される防御系MAWSの他にも、ミノフスキー粒子とミノフスキー物理学が反映されたMAWSも存在する。代表的なものとして、地球連邦軍系MSの関節に採用されたフィールド・モーターやマグネット・コーティング、フォーミュラー系以降の小型MSに採用された金属加工技術マイクロハニカム機構が知られている。

■フィールド・モニター

 地球連邦軍が一年戦争時に採用したMS用の関節駆動システム。Iフィールドとミノフスキー粒子の相互作用を利用した関節モーターで、旧来型モーターよりも小型かつ高出力である。ジオン公国軍の流体内パルス・システムと双璧を成す、MS用関節機動機構であった。

■マグネット・コーティング

 フィールド・モーター用の強化技術。フィールド・モーターの機械的な干渉を打ち消す、モノボール(磁気単極子)を用いた磁気コーティングである。ミノフスキー物理学は、モノボールの安定に寄与しているといわれる。

■マイクロハニカム構造

 Iフィールドを利用した金属加工技術。金属中に発生させたIフィールドに沿って、異種結晶化結合を成長させるといわれる。この技術を導入したマテリアルで作られたMSのフレームや装甲は、従来のものよりも30%薄く加工しても金属疲労などの問題が起こらなかった。

 
 

 
後書き
次回 ビーム兵器に対する防御 
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