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騙される者

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第二章

「特にな」
「そんなものか」
「ああ、一つの板に同じ様な考えの連中が集まる場所だよ」
「それはな」
「御前もわかってるだろ」
「ああ、けれど人が多い板でな」
 それで書き込みが多いというのだ。
「そこでな」
「好戦的な言葉や差別用語がか」
「滅茶苦茶多いとな、世の中こんなに好戦的なだけの奴とかな」
「兵器で差別用語言う奴がか」
「いると思うとな」 
 それこそというのだ。
「嫌になるな、日本はこうした連中が多いのかってな」
「だから一部でしかもネットでしか言えない連中も多いからな」
「そんなにか」
「気にすることないだろ、それにそうしたところで騒いでる連中ってな」
 こうも言う門倉だった。
「実際じゃ何も言えない連中だろ」
「現実ではか」
「ああ、そんな連中だろ」
「そんな奴も多いのは間違いないな」
 山村も少し冷静に考えて述べた、現実に働いてあちこちを出歩いていてそうしたことを言う人間には殆ど会っていない。
「ネットじゃともかくな」
「だからな」
「そんなにか」
「気にすることないさ」
 またこう言う門倉だった。
「本当にな」
「そんなものか」
「ああ、じゃあな」
「それじゃあか」
「気にすることはないさ」
 全く、と言う門倉だった。
「それにそんなこと言う奴って頭悪くてしかもな」
「ああ、頭悪いな」
「そうだろ、戦争をしたらリスクだってあるしな」
「何かとな」
 まず商売、貿易等が出来なくなる。それだけ生活に影響が出る。山村はこのことをまず思ってからさらに話した。
「それに負けたらな」
「常に勝てるとは限らないしな」
「負けたらな」
「洒落になってないだろ」
「ああ、本当にな」
「あと自分が差別用語言って差別してる奴は自分が差別されたらどうだよ」
 その場合はというのだ。
「怒るだろ」
「そういう奴こそ怒るよな」
「俺を差別するのかってな」
「絶対にそうなるな」
「だからな」
 こう山村に言うのだった。
「自分がやられた場合も考えない様な連中だぞ」
「程度が低いな」
「頭悪くてな」
「それでか」
「そこまでも想像がつかないんだよ、それでな」
 さらに言う門倉だった。
「そうした連中は煽られやすいだろ」
「かなりな」
「それで大抵っていうか絶対にな」
「そんな連中を煽ってる奴がか」
「いるんだよ」 
 所謂アジテーター、扇動者が存在しているというのだ。
「学生運動もそうだったし市民運動もそうだろ」
「ああ、絶対に変な弁護士や活動家いるな」
「碌でもないな」
「いるよな、本当に」 
 山村は門倉に難しい顔で答えた。 
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