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ENDLESS

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第二章

「はじめようかなってね」
「やれやれね、本当に何でもトランプね」
「他にすることがないとね」
「やれやれよ、付き合う様になっていつもそうだから」
 このトランプへの執着がないと本当に火の非の打ちどころがない、そうした人だから余計に残念だ。
「困るわ」
「好きだしね」
「好きでも好き過ぎよ。トランプ好き過ぎるわ」
「お金は賭けないしいいよね」
「それはいいけれど」 
 それでもとだ、私は彼に返した。彼はトランプをしてもお金とか何かを賭けて遊ぶことはしない。何でもトランプはそうして遊ぶものじゃないというのだ。
「それでもね」
「僕のトランプ好きは」
「どうかと思うわ、今はお酒まだあるから」
「それを飲んで」
「寝ましょう」
 とっておきのブランデーだったけれど正直心の底から飽きているトランプをするよりましだと思った。
 それで私はそのブランデーを出して彼と一緒に飲んでトランプから逃れた、本当にトランプ好きの彼といるとこんなことばかりだ。
 けれどある日だ、その彼と一緒に休日のデートでテーマパークに行ってだった。
 そのテーマパークの中にある不思議の国のアリスのコーナー、トランプの兵隊達を見て私はふとこう言った。
「貴方がいるわよ」
「僕が?」
「そう、貴方がね」
 笑ってこう言った。
「トランプだからね」
「ああ、僕がいつもトランプしてるから」
「そうよ、本当に目を離すとトランプばかりだから」
「好きだからね」
「好きでも幾ら何でもよ」
 このことを今も言った。
「取り憑かれているみたいだから」
「トランプの神様にだね」
「そんな風にしていたらね」
 それこそとだ、彼に半分冗談半分真剣に話した。
「貴方もああなるわよ」
「トランプの兵隊になんだ」
「なるかも知れないわよ」
「まさか、けれどね」
「けれど?」
「なるならキングがいいね」
 笑って私に返してきた。
「それならね」
「キングになりたいの」
「スペードのね」
 それにというのだ。
「特撮の悪役でもそういうのいたし」
「トランプの悪役なの」
「カードを使うんだ、それで自分をスペードのキングに例えていたんだ」
「そんな悪役いたのね」
「全身真っ白でマントも羽織ってフェシングの剣を使って」
「恰好いい系の悪役だったの」
「そうだよ、その悪役も好きだったから」
 それでと私に話してきた。 
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