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DQ5~友と絆と男と女  (リュカ伝その1)

作者:あちゃ
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66.因果と言う言葉がある。ヤッちゃったらデきちゃった。因果である。

<ラインハット城>

ラインハットに着き、先ずはデール陛下に挨拶を済ます。
大人な俺は順序を弁えている。
後にヘンリーだ!
つか挨拶などしなくてもいいだろうと思うのだが、この間のゴールドオーブの事もあるし、ちゃんと説明しないと後でうっさいし………めんどくせ!


「ちわ~ッス!ヘンリー君あ~そ~ぼ~」
室内へ入ると既に俺達の来訪を知っていたらしく、お茶の用意がしてあった。
きっとマリアさんだろう…気が利くね。
「ヘンリー、マリアさん、ご心配をかけましたが、無事家族4人揃いました」
ヘンリーの前に着席して早々、大人として挨拶をする。
こう言うのって重要だよね。

「そうか…無事揃ったか…更に無事一人増えたしな!」
………………一人増えた?
「あの…ヘンリー君?何言ってるの?」
ヘンリーは無言で部屋の隅を指さす。
そこにはマリソルが椅子に座っていた…
………何かを抱いている………
クルンジャナカッタ……コンナトコ……



はい!順を追って説明します!
マリソルが女の子を産んだ。
名前は『リューナ』
きっと…てか、間違いなく、天空城を見つける直前に訪れた時が発端だ。
マリソルも俺以外とは関係を持つ男性は居ないと、断言してくれた。
先日、ゴールドオーブ探しの時に俺に何か言いたげだったのは、この事の様です。
あの時は有無を言わさず来て、有無を言わさず帰ったからね…


「お前…どう責任を取るんだ!」
「せ、責任って「いいんです、ヘンリー様!」
「「え!?いい訳無いだろう!」」
俺とヘンリーがハモる!不本意だ!
「私…ある方と同じ悩みを有していて、すごく親しい友人同士なんです…10年前から。その方はサンタローズに住んでいて、同じ男性に恋をしてしまい今尚叶わぬ恋に悩んでおります」
フレアさんの事だよね…
「その方も…出産しました。私もです」
「お前…シスター・フレアにも…」
呆れるヘンリー…ジト目のビアンカ…ピンチな俺!

「私はリュカさんとビアンカさんの仲を裂くつもりはありません。お二人とも私は大好きなんです。でもこれで…私とフレアさんはリュカさんとの絆を保つ事が出来ます」
「絆…」
ビアンカが目を丸くして驚いてる…
普段だったらビアンカの表情に欲情して、押し倒したりしてるんだろうが…今はとても…
「だからリュカさん!私の旦那様にはなれなくても、リューナのお父さんにはなって下さい!」
「ど…努力しまふ…」
緊張のあまり噛んだ!

「私も負けてられないわ!リュカ、魔界から戻り次第頑張るわよ!」
とても嬉し恐ろし楽しみなのですが…
子供達やヘンリー夫妻の前で高らかと宣言する事では無い様な気が…
でも、万事丸く収まったので良しとしましょう。(丸いか?)



この後でヘンリーに呼び出しを喰らい、2~3時間の説教を受けました。



<グランバニア城>
ピピンSIDE

休暇として頂いた1週間など、あっと言う間に過ぎ去った。
お袋に親孝行も出来たし、ドリス様に思いを告げる事が出来たし、思い残す事は何もない。
俺は隣で寝息をたてるドリス様を眺め、幸せに浸る。
昨日の夕刻にリュカ様達がお戻りになった様だ…
俺はドリス様を起こし、服を着させて準備をする。


中庭へ出るとリュカ様ご家族他、皆さんが揃って待っていた。
「おや?お楽しみ過ぎて遅刻かい?ピピン、ドリス…」
何で簡単に気付かれるのだろう?
互いの親にしか、我々の関係はまだ言って無いのに…
オジロン閣下から聞いたのか?

「か…からかわないで下さい!皆さんがお早いだけです」
「メンゴメンゴ。ところで…オジロンは知っているのかい?君達の関係を…」
どうやらオジロン閣下からの情報では無いようだ…リュカ様は鋭すぎます!
「親父には言ったわ!『反対したらブ殺す』って♥」
「ちぇっ…つまらん!」
言葉の割には嬉しそうだ…リュカ様流の祝福なのだろう。


全員が揃い、準備万端なところでリュカ様がみんなに話し始めた。
「みんな、これから赴く魔界は兎に角恐ろしい所だ。モンスターもこちらとは比べ物にならない程、強く邪悪だろう。『やっぱり帰りたい』等と後から言っても手遅れになる。残留を希望するのなら今しかないから…遠慮せず、恥ずかしがらず、手を挙げて」
リュカ様が手を挙げて皆を促す。
………………

しかし誰も手を挙げない…
無論だ!
皆、思い残す事は無いのだから!
「リュカ様!ご無礼ながら申し上げます。リュカ様に頂いた1週間で、我々は思い残す事の無い様過ごしました。皆、リュカ様に命を捧げる覚悟でここに居ます!」
ドリス様が俺の手を強く握ってくれる。
愛する人と共にいれば何も怖い物など無い!

「ピピンのバカチン!!」
え!?
何故…怒られたの?
「僕は命など捧げて欲しくは無い!いるかー、そんな粗末な命!!1週間の休暇を与えたのは、故郷から…この世界から離れたくないと思わせる為なの!死ぬ気になって欲しかった訳じゃないの!もう、無駄に1週間過ごしやがって!!」
………さすがリュカ様…懐が深い…
死ぬ覚悟を決める1週間では無く…生きて帰る決意を高める為の1週間…
その通りだ!思いを告げただけで満足してはダメだ!
俺はドリス様と…いや、ドリスと添い遂げるのだ!

ピピンSIDE END



 
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