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ドリトル先生と和歌山の海と山

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第五幕その十六

「楽しいね」
「そうだよね、僕もね」
「王子もだね」
「楽しいよ、凄くね」
 こう先生に答えるのでした。
「楽しい学問だね」
「そう、学問は楽しいものだよ」
「難しいものじゃなくて」
「僕がいつも言っているね」
「そうだね、楽しいものだね」
「どの学問もね」
 この辺りあらゆる学問に励んでいる、それもご自身で言う通りに楽しくしている先生らしい言葉です。
「そうしているね」
「それで今もだね」
「楽しんでね、忍者のこともね」
 この世界の人達が大好きな日本のこの人達もです。
「学問になるよ」
「歴史のだね」
「うん、恰好いいよね」
「現実の忍者もね」
「戦う訳じゃないけれどね」
 忍ぶ人達です、あくまで。
「あの手裏剣や刀、忍者屋敷もね」
「忍者屋敷もだね」
「あの装束もね」
 忍者独特のそれもというのです。
「僕は大好きだよ」
「あれ嫌いな人いるかな」
「いないよね」
「見てるだけで恰好いいよね」
「何かもう独特でね」
「見ていて惚れ惚れするわ」
 動物の皆も同じ意見でした、忍者については。
「侍、陰陽師と並ぶ日本の代名詞よね」
「お公家さんもいいけれど」
「忍者はその中でもね」
「最高に恰好いいわ」
「その忍者の場所に行けるなら」96
「是非」
 むしろ先生以上にです、動物の皆は乗り気でした。それで先生にこうしたことも言ったのでした。
「いやあ、伊賀だけじゃないんだ」
「あと甲賀ね」
「忍者所縁の場所って」
「ここもだったんだ」
「根来衆もあったんだ」
「忍者は日本各地にいたしね」
 このことからお話する先生でした。
「だからね」
「和歌山にもいて」
「それでなんだ」
「その所縁かも知れない場所に行ける」
「今から」
「そうかもね、じゃあね」
 先生も乗り気です、忍者も学問のうちと考えているからです。
「行こうね」
「これからね、いや」
 ここで先生はふと思い出しました、そのことはといいますと。
「確か根来寺は和歌山市じゃなかったね」
「あれっ、違ったの」
「あのお寺じゃないの」
「根来衆のお寺よね」
「あの忍者の」
「違ったよ、それにあのお寺はね」
 その根来寺はというとです。
「真言宗のお寺で」
「根来衆とも関係ないの」
「あの忍者の」
「あの人達とも」
「そうだったよ、和歌山市の忍者はね」
 その人達はいるにはいるにしてもです。 
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