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オズのトト

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第九幕その七

「沖縄の食べ方も面白そうだね」
「豚肉も缶詰にしたらああなるんですね」
 神宝もスパムについて知っているので言います。
「角煮とかと全然違ってますけれど」
「違うというか別もの?」
 カルロスはこう言いました。
「もうね」
「加工してあそこまで変わるなんて」
 ナターシャは驚きを隠せない感じです。
「凄いわよね」
「あれ結構昔からあったらしくて」
 スパムはアメリカで造られたものです、そのアメリカ人のジョージが言うことはといいますと。
「お祖父ちゃん軍隊で食べ飽きたって言ってたよ」
「食べ飽きたって」
 そのことに驚く恵梨香でした。
「凄いわね」
「当時ではだね」
「はい、そう思いました」
 恵梨香は教授にも答えました、同じ豚肉でも足てびちを食べながら。
「お母さんが子供の頃まで日本じゃお肉は高かったですから」
「そう聞いているんだね」
「はい、ですから」
 それでというのです。
「信じられないです」
「まあそれはね」
「それは?」
「国ごとに違うからね」
 このことはというのです。
「どうしても」
「アメリカではそうだったってことですね」
「そうだよ、そしてね」
「そして、ですか」
「うん、今は日本でもお肉を普通に食べているね」
「牛肉も豚肉も」
「日本もそうなったということだよ。むしろね」
 教授は今度は山羊のお刺身を食べつつ言いました。
「日本はこうして色々なものを食べられる」
「そのことはですか」
「凄くいいことだよ」
 そうだというのです。
「山羊のお刺身なんてね」
「沖縄では食べますね」
「そうだね、他の国や人を凄いと思うより」
「自分達の方をですか」
「見て思うことが大事なのだよ」
「自分のよさや至らなさを見て」
「努力することだよ」
 そのことがいいというのです。
「私はそう思うよ」
「そうですか」
「うん、そして恵梨香も」
 山羊のお刺身のお皿を一つ回してから言いました。
「食べるかな」
「はい、それじゃあ」
「このお刺身も美味しいね」
「お魚だけでなくお肉もお刺身で食べるのにはね」
 ドロシーが言うには。
「最初驚いたわ、お魚もね」
「驚かれたんですか」
「食べられるのかって。けれどね」
「実際に食べたらですね」
「美味しいのよね」
「お寿司にしても」
「そちらもね」
 食べると、というのです。
「本当にね」
「そうですよね、お寿司も」
「あれも不思議な食べものだわ」
 そうだとです、ドロシーも山羊のお刺身を食べつつ言うのでした。
「どうにもね」
「生のお魚とお酢やお砂糖で味付けした御飯をですね」
「巻いたり握ったりして食べるわよね」
「あとちらし寿司もありますね」
「そうした食べ方をするなんて」
 それこそというのです。 
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