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オズのトト

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第八幕その九

「アメリカじゃ海草食べないから」
「冷えた御飯もね」
 神宝はそちらのお話をします、おかかのお握りを食べながら。
「食べるなんてってね」
「お寿司は有名だし僕も知ってたけれど」
 カルロスは昆布のとても大きなお握りを両手に持っています。
「お握りは日本人皆が好きだからね」
「何かあればお握りよね」
 ナターシャは梅のお握りです。
「日本人は」
「そうなの、本当にお握りがないと」
 それこそというのです。
「日本人ははじまらないってところがあるわね」
「サンドイッチみたいなものね」
 ここでドロシーは恵梨香に笑顔で言いました、ドロシーが食べているお握りは天むすです。
「言うなら」
「そうですね、ただ」
「サンドイッチよりもポピュラーかしら」
「そうみたいです」
「恵梨香も何日に一回は絶対に食べるから」
「冒険に出ていますと」
「特によね」
 王宮等で遊んでいる時よりもです、恵梨香はお握りを食べています。
「そうね」
「お外で食べると特に美味しくて」
「今もよね」
「そうなんです、本当に美味しいです」
「そうね、ただね」
「ただ?」
「恵梨香が好きなお握りは」
 それはと言いますと。
「一番は何かしら」
「中の具ですね」
「そう、それは何かしら」
「ううん、何でしょうか」
 梅のお握りを食べつつです、恵梨香はドロシーに難しいお顔で応えました。
「一体」
「わからないの」
「お握りでしたら」
 それこそというのです。
「何でもでして」
「それでなの」
「梅干しも好きで天むすも」
 ドロシーが今食べているそれもというのです。
「昆布もおかかも好きで若芽御飯でも麦御飯でもチャーハンでも」
「何でもなのね」
「大好きで」
 それでというのです。
「何でもでして」
「嫌いなものはないの」
「ですから一番といいますと」
「難しいのね」
「はい、どれかと言われますと」
 それはというのです。
「難しいです」
「そうなのね」
「はい、どうも」
 こうドロシーに答えます。
「中に何が入っていなくてもいいですし」
「あら、そうなの」
「はい、そうしたお握りでも」
 いいというのです。
「本当に」
「そうなのね」
「そうです、まずはお握りです」
「お握り自体が好きで」
「具は何でもいいです」
「そうなのね」
「ですからどんなお握りでも何個でも」
 それこそとお話してです、そのうえで。
 恵梨香はお握りをお腹一杯食べました、それからデザートの柿を食べてそのうえで言ったのでした。
「とても美味しかったわ」
「柿も食べてるしね」
「デザートもね」
 その柿もとです、トトに応えます。 
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