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オズのトト

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第六幕その一

           第六幕  妖怪の山
 一行は南の山々への冒険をはじめました、そこでです。
 最初の山に入ってです、ムシノスケ教授が言いました。
「ふむ、確かにこの山は独特だね」
「草木がだね」
「うむ、オズの国の多くの山々と違うね」
 こうカエルマンに応えるのでした。
「やはりね」
「そうなんだね」
「そう、これが日本の山なのかな」
「はい、本当にこんな感じなんです」
 日本人の恵梨香が答えました。
「青いのでわかりにくいですが」
「マンチキンの青だね」
「だからなんだね」
「そのせいですけれど紅葉の木ですね」
 今自分達の周りにある木々はというのです。
「秋になったら紅くなりますけれど」
「日本によくある木だね」
「はい、それに」
 恵梨香は教授にさらにお話します。
「黄色くもなりますので」
「それは銀杏かな」
「あっ、ご存知ですか」
「うん、このマンチキンの国では青緑になるからね」
「黄色ですけれど青いマンチキンの中にあるからですね」
「青に近い青緑になるんだ」
 マンチキンなので青が勝つからだというのです。
「そうなるんだ」
「成程、そうですか」
「そうしてね」
 さらにお話する教授でした。
「オズの国は常春ですね」
「秋はないですか」
「けれど一定の時期にね」
「そうしたいろにもなるんですね」
「そうだよ」
 こうお話するのでした。
「いつもその色の銀杏もあるけれどね」
「紅葉もですか」
「楓もね」
 こちらの木もというのです。
「そうだよ」
「そうなんですね」
「それで紅葉の色はね」
 どう変わるかといいますと。
「マンチキンだと青紫になるんだ」
「青と赤で紫ですね」
 ジョージはすぐにわかりました。
「そういうことですね」
「しかもマンチキンなので青が強いから」 
 神宝もその色になる理由がわかりました。
「青紫なんですね」
「その色の色が勝つんですね」
 カルロスはオズの国のこの法則をあらためて理解しました。
「そういうことですか」
「他の国でもそうなのね」
 ナターシャもこう考えました。
「それぞれのお国の色が勝つのね」
「そうだよ、それもオズの国だよ」
 教授は四人にも答えました。
「それも面白いね」
「はい、確かに」
 こう答えるのでした。
「オズの国ならではですね」
「そうしたことも」
「それぞれのお国で色があって」
「その色が勝つんですね」
「それでいて独自の色も出せるから」
 出そうと思えばです。
「それもまた面白いんだよ」
「そう、例えば僕もね」
 カエルマンが言ってきました。
「ウィンキーにいるから黄色だね」
「あっ、そうですね」
「カエルマンさんはウィンキーの人だからですね」
「黄色いんですよね」
「タキシードも靴も」
「全部黄色なんですね」
「しかし青い服も着られるし」 
 ここで、です。何とです。 
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