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オズのトト

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第四幕その六

「嬉しいです」
「そんなに嬉しいの?」
 そのカモシカからの問いです。
「私に会えて」
「ええ、凄くね」
「そうなのね、私としてはね」
「珍しくないっていうのね」
「この山に群れで住んでるし」
「皆と」
「そう、カモシカのね」
 だからだというのです。
「私としては特にね」
「珍しくないのね」
「そう思うけれど」 
 こう恵梨香に言うのでした。
「特にね」
「そうなのね」
「そういえばオズの国って珍しい生きものも普通にいて」
 カルロスが言うには。
「僕達も結構見てるよね」
「ええ、そうよね」
 ナターシャはカルロスのその言葉に頷きました。
「色々とね」
「僕パンダ見たしね」
 神宝はお国の象徴とも言えるこの生きものの名前を出しました。
「笹を美味しそうに食べてたよ」
「オオヤマネコ、ボブキャットって結構少なくなってるのに」
 ジョーゾもお国の生きものの名前を出しました。
「オズの国じゃ結構見るね」
「絶滅した生きものもいて」
「オズの国にしかいない生きものも」
「それで珍しい生きものも普通にいる」
「つくづく凄い国だよ」
「それがわし等にとっては普通なのじゃよ」
 ニホンオオカミの長老さんが言ってきました、長老さんの周りには他のニホンオオカミ達が揃っています。
「至ってな」
「そうなんですね」
「ごく普通なんですね」
「そうじゃ、不思議がオズの国では普通じゃろ」
 だからだというのです。
「それでな」
「外の世界とは違って」
「珍しい生きものも普通にいる」
「そして絶滅した生きものもですね」
「ドラゴンだっていますし」
「そういうことじゃ、もっとも今回はドラゴンは関係なくてな」
 この巨大な生きものはというのです。
「鳥でな」
「飛ばない鳥だよね」
 トトが長老さんに尋ねました。
「その鳥さん達が一杯この森に移住してきて」
「うむ、それでじゃ」
「トラブルが頻発しているんだね」
「何かとな」
「この森の生きものは多いね」
 カエルマンは集まった彼等をその丸くて広い範囲が見える目で見回して言いました、一行の周りを日本の森の生きもの達が囲んでいます。
「これだけ多いと」
「わかってくれるじゃろ」
「うん、移住してきた生きもの達はね」
 カエルマンは腕を組んで言いました。
「入られないね」
「ましてや入って来た鳥達はかなり多い」
 それで余計にというのです。
「だから受け入れられんのじゃ」
「しかも生活習慣も違う」
 ムシノスケ教授はこのことを指摘しました。
「そうですな」
「そうじゃ、わし等の多くは哺乳類じゃが」
 見れば蛇や蛙、蜥蜴もいます。カナヘビやヤモリ、イモリもいます。
「しかしな」
「鳥類ですからな」
「生活習慣が全く違ってな」
 このこともあってというのです。
「何かとぶつかっておる」
「やはり」
「それで困っておるのじゃよ」
「つまり鳥さん達には他の場所で住んで欲しい」
 ドロシーがここでこう言いました。
「そういうことね」
「要するにな」
「やっぱりそうなるわね」
「そうじゃ、しかしな」
「鳥さん達とそうしたお話をすると」
「これまで何度も話したが」
 それがというのです。 
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