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オズのトト

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第四幕その一

           第四幕  森の生きもの達
 お昼御飯を食べた皆は森に向かいました、マンチキンの森らしく葉や下の草の色は奇麗な青です。
 ですがその木や草を見てです、恵梨香が言いました。
「日本の草木?」
「あっ、そうだね」
 神宝も見て気付きました。
「杉はないけれどね」
「八条学園にもある木だね」
 ジョージはその青い木達を見ています。
「この種類は」
「オズの国にはこうした森もあるんだ」
 カルロスも森のその中を見回して言いました。
「日本みたいな森も」
「本当に色々なものがある国ね」
 ここでナターシャが言うことはといいますと。
「ロシアやブラジルの森もあるのかしら」
「そう、あるのだよ」
 教授が右手の人差し指を立ててナターシャに応えました。
「ツンドラもアマゾンも」
「そこにいる生きもの達もいるからね」
 カエルマンもお話します。
「何かと面白いよ」
「生きものっていうと」
 ここで言ったのは恵梨香でした。
「この森にいるのは狐や狸、あと熊とか栗鼠ですか」
「うん、そうだよ」
 その通りとです、オジョがお話しました。
「一杯いるよ」
「そうなんですね」
「鹿や猪もいるけれど」
「日本の鹿や猪ですね」
「そうだよ、何しろオズの国はアメリカが反映されるけれど」
 このことからというのです。
「アメリカは世界中から移民が来てるね」
「そうして出来た国ですね」
「そして今もそうなっているね」
「日本からも来ていて」
「そう、そしてね」
「自然や生きものもですか」
「日本人の心にあるそれがね」
 直接持っては来れなくてもというのです。
「出て来ているんだよ」
「そうなんですね」
「それがこの森なんだ、実はね」
「実は?」
「僕もこの森を見て他のオズの森と違うと思ったんだ」
 オジョも森の中を見回しています、皆を森の奥へと案内しながら。山が森になっていてその中を進んでいっています。
「どうしてかなって思っていたら」
「私がオジョに教えたのだよ」
 ムシノスケ教授が胸を張って恵梨香にお話しました。
「それで彼もわかったんだ」
「教授が調べられたんですね」
「そう、大学でね」
「それでオジョさんもわかって」
「いや、道理でオズの国の自然にどんどんプラスされていっている筈だよ」
 オジョは感心した様に言いました。
「移民として来た人の心にある自然が反映されていっているから
「じゃあブラジルから来た人のアマゾンもあって」
「ロシアから来た人のツンドラもあって」
 ジョージと神宝も言います。
「西部の荒野もあるんだね」
「竹林もね」
「メキシコのサボテンもあるんだね」
「ドイツの黒い森も」
 カルロスとナターシャはそうしたものを連想しました。
「そしてアナコンダもいるんだ」
「熊や狼も」
「そうだよ、オズの国にはあらゆる自然があるんだ」
 あらゆる国から来た人の心にあるそれがです。
「だから素晴らしいんだ」
「ううん、自然も不思議の国なんですね」
「そうよね、私もね」 
 ドロシーも言います、勿論足元にはトトがいます。 
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