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儚き想い、されど永遠の想い

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118部分:第十話 映画館の中でその八


第十話 映画館の中でその八

「これ程有り難い言葉は今まで受けたことはありません」
「そう言って頂けるのですね」
「言葉だけではありません」
「それ以外にもですか」
「心で」
 まずは一言で言ってみせた。ここでは。
「私の心で。それは」
「受け取り、感じて頂けましたか」
「はい。二人ですね」
「そうですね。二人ですね」
「私達は完全に二人です」
 そうなったとだ。義正はわかったのだ。
 そして真理もだ。二人はわかったのだ。それだけではなくだった。
 義正はだ。こんなことも話したのだった。
「二人で。一つになりました」
「一つにですか」
「愛は一人で成り立つものではありません」
「二人があってこそですか」
「そのうえではじめて成り立つものです」
 片方だけでは絶対に成り立たないもの、それが愛だとだ。
 義正は真理に話してだ。そうしてだった。
「だからこそです」
「私達はこうして」
「共に進みましょう」
 確かな声で真理に告げた。
「私達二人で。そして二人なら」
「私達が二人なら」
「何も怖れるものはありません」
 全くないというのだ。二人ならだ。
 こうした話をしてだ。義正はだ。
 あらためてだ。真理に現実に何をするのかを話すのだった。
「ですから。私達の両親にです」
「言うのですね」
「そこから全てがはじまります」
 義正は真理にまた話した。
「私達の幸せがです」
「幸せはもうはじまっていても」
「それが誰もから祝福される幸せになるのです」
「誰からもですか」
「最高の幸せではないでしょうか」
 そうした幸せこそがだと。義正の言葉は熱さをさらに強くさせていた。
「そうではないでしょうか」
「ですね」
 真理は静かにだ。義正の今の言葉に頷いた。
 そのうえでだ。義正のその澄んだ目をだ。同じ目で見ながら自分の心を出すのだった。
「隠していてもこのままですから」
「それが本当のです」
「なりますね。それではです」
「幸せになりましょう」
 今はこう言う義正だった。
「そうなりましょう」
「はい、是非共」
 真理もだ。頷いた。二人は今決意した。
 そのうえでだ。真理はだ。
 義正にだ。今度はこのことを尋ねるのだった。
「それでなのですが」
「それでとは」
「どういった風にしましょうか」
 その公にする仕方の話だった。
「どうして。私の両親に」
「そして私の両親に」
「言いましょうか。そして言えば」
「確実に反対されますね」
「絶対にそうなります」
 そのことはだ。火を見るよりもだった。
「ですから。そこから幸せを手に入れる為にはどうすれば」
「考えがあります」
 ここでもそれがあるとだ。話す彼だった。
「ただ言うだけでは誰も認めてくれません」
「両親もですね」
「そうなります」
 彼女のその両親も。そして義正の両親もだった。
 
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