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オズのトト

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第一幕その七

「諸君は学問が好きかな」
「遊ぶ学問ですね」
「左様、学問は難しく考えてはいけないのだよ」
 ムシノスケは恵梨香に笑って答えました。皆は王宮の図書館に入ってそこで本を開いています。
「楽しくするもので」
「これもですね」
「遊びの一つなのだよ」
 こう恵梨香達に言うのでした。
「自分の学びたいことを徹底的に楽しむ」
「それが学問ですね」
「そうなのだよ」
 こう恵梨香に言いました。
「だから君達もだよ」
「学問をですね」
「好きなだけ学ぶことだよ」
「僕は勉強は得意なんで」 
 五人の知恵袋の神宝の言葉です。クラスでもいつも一番です。
「どんどんしていけますね」
「僕も神宝程じゃないですが悪い点を取ったことはないです」
 次に言ったのはジョージでした、この子はスポーツも出来てバランスタイプです。
「まあ満足しています」
「僕は普通のつもりです」
 カルロスはどっちかというとスポーツが得意です。
「何とかそうした点を取っています」
「私は国語や社会が得意ですね」
 ナターシャは全体的に成績がいいですがそういった科目が得意です。
「日本語の国語も好きです、家庭科も」
「私は算数や理科が好きです」
 恵梨香も成績はよくて特にこちらです。
「あと図工も好きですね」
「恵梨香お習字も得意よね」
「うん、書道も好きだから」
「ふむ、書道というと」
 モジャボロが言うにはです。
「外の世界の東洋の芸術だね」
「そうだよね」
 ドロシーの足元にいるトトがムシノスケに応えました。
「西洋にはないね」
「そうした筆がないからだよ」
「東洋では昔は筆で字を書いていてね」
「それが芸術にもなったのだよ」
「それも凄いことだね」
「全くだ、そして恵梨香はだね」
「はい、書道好きです」 
 恵梨香はムシノスケにも答えました。
「はじめから」
「じゃあ将来は書道家になるの?」 
 ドロシーはくすりと笑って恵梨香に尋ねました。
「そうなるの?」
「ううん、そこまでは」
「考えていないのね」
「はい、私より上手な人は沢山いますし」
「学問は学べば学だけよくなるのだよ」
 ムシノスケはここでドロシーにこう言いました。
「芸術も然りだよ、センスは確かに必要だが」
「それでもですか」
「そう、やはり好きならだよ」
「徹底的に楽しむとですね」
「よくなるのだよ」
 そうだというのです。
「だから書道もだよ」
「学べば学だけ、ですか」
「そう、そして書けば書くだけだよ」
「よくなるんですか」
「あらゆる学問がね」
「そうですか、じゃあ」
「恵梨香が書道を楽しみたいのならだよ」
 そう思うならというのです。
「まずは書くことだよ」
「それも楽しんで」
「そうしていけば上手になるんだ」
 今以上にというのです。
「絶対に」
「そうですか」
「そう、何度も言うがね」
「楽しむことですか」
「そう、学問もそうした意味で遊びなのだよ」
 楽しむことだからというのです。
「本当にね、では今から遊ぼうか」
「宜しくお願いします」
 皆でモジャボロに応えてでした、そのうえで学問という遊びを楽しみますが今日の学問は何かといいますと。 
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