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オズのトト

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第一幕その四

「だからね」
「そのシューズを履けばですね」
「すぐにね」
「エメラルドの都に着きますか」
「十分もかからないわ」
 普通にあるけば何日、今からですとその数日後に夜になってしまいそうな時間にならないと着きそうもない場所でもというのです。
「それこそね」
「それは凄いですね」
「だからね」
「今からですね」
「今履いている靴はなおして」
 その為のビニールも出しています。
「シューズ出すから」
「そうですか、ただ」
「履くのは私だけっていうのね」
「はい、ですから私達は」
「安心して、皆が手をつなげば」
「その時はですか」
「同じ速さで歩けるの」
 そのシューズを履いたドロシーと、です。
「だからね」
「安心していいですか」
「そうよ」
「凄いですね」
「そうした意味でも魔法の道具なの」
 そのシューズはというのです。
「だからね」
「今からですね」
「そう、これからね」 
 まさにというのです。
「履くわ」
「わかりました」
 実際にです、ドロシーは持っているバッグからシューズを出しました。そしてシューズを履くと履いていた靴はビニールの中に入れてそのバッグに入れてそのうえであらためて皆に言いました。
「じゃあね」
「はい、皆でですね」
「手をつないで」
「そうしてですね」
「歩きましょう、普通に歩いてもね」
 そうしてもというのです。
「あっという間だから」
「十分で、ですか」
「エメラルドの都に着く」
「そうなりますね」
「そうよ、本当にこの靴はね」
 魔法のシューズはというのです。
「素晴らしいわ」
「流石は魔法使いさんですね」
「素晴らしいものを発明してくれますね」
「そんなシューズを発明出来るなんて」
「魔法を発明に使って」
「そうしてれますね」
「こうしたことはね」
 本当にとです、ドロシーは五人に言いました。
「魔法使いさんはオズの国の第一人者よ」
「オズマ姫やグリンダさんの魔法とは違いますよ」
 恵梨香はドロシーにこのことを言いました、言いながらまずは五人は恵梨香、ジョージ、神宝、カルロス、ナターシャの順番で縦に手をつないで列を作りました。
 そしてです、恵梨香がドロシーと手をつなぎました。そうして歩きはじめながらドロシーに言いました。トトはドロシーがまた抱っこしています。
「発明にも利用されますよね」
「そうなの、それがね」
「他の人の魔法と違って」
「独特のものになってるの」
「そうですよね」
「オズマもグリンダもそれぞれ魔法のタイプは違うけれど」
「魔法使いさんはですね」
「手品や発明の方にね」
「向かっていますね」
「そうした魔法なのよ」
 こうドロシーにお話します、歩いていると確かに風の様に進んでいます。普通に歩いているだけなのに。
「あの人の魔法は」
「そしてそのシューズもですね」
「発明してくれてね」
「今ドロシーさんが履かれているんですね」
「そうよ」 
 まさにその通りというのです。 
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