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オズのトト

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第一幕その三

「マンチキンの国ね」
「そうだね」 
 トトが喋ってきました。
「間違いないね」
「あっ、オズの国に入ったから」
「喋られる様になったよ」
「そうよね」
「じゃあドロシー、今はね」
「ええ、下ろすわよ」
「あちらじゃ犬がリード付けていないと言われるからね」
 何かとです、生きものの放し飼いは外の世界では生きものにとっても周りの人達にとっても危ないからです。
「けれどね」
「ええ、オズの国に入ったから」
「喋られる様になったからね」
「それじゃあね」
「下ろしてね」
「わかったわ」
 ドロシーもにこりと応えてです、そのうえで。
 トトを下ろします、するとトトはすぐにドロシーの足元ではしゃぎはじめました。そしてでした。
 恵梨香は周りを見てです、ドロシーに尋ねました。
「マンチキンの国なのはわかりますけれど」
「問題はマンチキンのどの場所か」
「はい、何処なんでしょうか」
「ここはね」
 ドロシーも周りを見回しつつドロシーに答えます。
「エメラルドの都のすぐ傍のコンカットタウンの近くね」
「コンカットタウン?」
「そう、ホビットの街よ」
「オズの国にはホビット族もいるんですか」
「そう、エルフやノームやドワーフだけでなくてね」
 明るくて陽気な小さな種族もというのです。
「いるの」
「そうなんですね」
「その北ね」
 見れば彼等から見て北に黄色い煉瓦の道も見えます。
「エメラルドの都に行くのもすぐよ」
「そうですか」
「さて、どうしようかしら」
 ドロシーはここで考えるお顔になって言いました。
「一体」
「コンカットタウンに行かれますか?」
「それもいいし一旦ね」
「エメラルドの都に戻ってですね」
「そう、そしてね」
 そのうえでというのです。
「オズマに戻ったって挨拶しようかしら」
「それがいいかも知れないですね」
「オズの国に戻ったなら」
「ホビットの街には何時行ってもいいですよね」
「ええ、別にね」
 その通りだとです、ドロシーは恵梨香に答えました。
「いいわ」
「それでしたら」
「まずはっていうのね」
「都に戻って」
 そうしてというのです。
「オズマ姫に挨拶をしましょう」
「そうね、オズマとは何時でも連絡出来るけれど」 
 その連絡に使う携帯を出して言いました。
「オズマも鏡で私の状況をチェック出来るし」
「それでもやっぱり」
「ええ、帰ったらね」
「まずは挨拶をした方がいいです」
「恵梨香の言う通りね」 
 ドロシーは恵梨香の提案に頷きました、そのうえで皆に言いました。
「それじゃあね」
「はい、今からですね」
「まずはエメラルドの都に戻る」
「そうしますか」
「それでオズマ姫にご挨拶ですね」
「そうしましょう、ここからだとね」
 それこそというのです。
「都まですぐに変えられるわ」
「何日か歩くとですね」
「いえいえ、実は今魔法の靴を持ってるから」
 だからだとです、ドロシーは恵梨香ににこりと笑って答えました。
「もうそれこそあっという間に着けるわよ」
「魔法の靴?」
「そう、履けば魔法みたいに履ける魔法のシューズなの」
「そんなものもあるんですね」
「この前魔法使いさんが発明したの」
 そうしたシューズをというのです。 
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