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MS Operative Theory

作者:ユリス
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内部図解
  歩行システム①

——キャタピラを上回る走破能力を持つ、MS用の脚部ユニット——

 宇宙空間においてMSは、宇宙戦闘機や艦艇と同じく、スラスターを機動システムとして用いている。胴体に次ぐ質量を持つ脚部は、通常、AMBACシステムやベクダード・スラスター(偏向推進器)、ライディング・ギアとして使用される。宇宙空間には「地面」がないため、脚部ユニットが「脚」として使われることはない。地球上やコロニー内などの重力下において、脚部ユニットは「脚」として利用される。

 重力下におけるMSの脚部ユニットは、全備重量が数十tにもなるMSを機動させるだけではなく、高速での走行——RX-78(ガンダム)の地上での走行時の最高速度は130km/hにも達していたと言われる——をも可能としていた。ジオン公国軍の試作機動戦車YMT-05(ヒルドルブ)は、核融合炉による出力と覆帯=キャタピラ式によって110km/hもの最高速度を誇っていたが、これは計35個の駆動輪によって達成されたものであった。脚部ユニットと覆帯では、ダッシュ力や巡航速度など、いくつかの点で違いが見られる。しかし、汎用性や全領域対応能力など、総合的な性能では脚部ユニットのほうが優れている。

 また、塹壕や障害物を乗り越える能力に関しても、脚部ユニットは覆帯式よりも優れている。戦車がコンクリートや金属製のブロックや杭を乗り越えられないことに対し、MSの脚部ユニットはスラスターを併用したジャンプによって大半の障害物を突破可能である。このため、地上においてMSの侵入を阻止することは、極めて困難といわざるを得ない。

 このようにMSの脚部ユニットは、多くのケースで覆帯を上回る性能を発揮するが、いくつかの欠点も指摘される。その中でも問題視されやすいものが、長大な脚部が招くトップヘビーと整備性の低さである。

 トップヘビーとは重心が高いことを意味し、安定性が損なわれる要因となる。つまり、転倒しやすくなるのである。トップヘビーは水上船舶などで特に敬遠されるが、MSの場合、トップヘビーによる安定性の低下を逆に利用して、運動性を上昇させているとも言われる。停止状態ではコンピューター制御で安定性を維持し、動作時は安定性の低さを利用して運動性を向上させるという発想は、脚部ユニットでなければ実現が困難とされる。ワイヤートラップを仕掛けられた場合、転倒しやすいことは事実だが、MSは転倒した程度で破壊されることは無く、自力で起き上がることもできるため、致命的な欠点とはいえない。また、整備性の低さは最も重大な問題として指摘される。特に重力下では関節部分への負荷が大きく、砂や水などによって損耗率も格段に上昇する。

 しかし、上述のような利点やMS-09(ドム)で確立したホバー走行システムの普及もあって、重力下用MSには脚部ユニットが採用され続けている。



補足事項

——脚部を持たないMS——

 RX-75(ガンタンク)に代表されるように、MSの中には僅かではあるが、脚部ユニットを持たない機体が存在する。これはMS黎明期に開発された機体や、MA的な運用性を求めた結果といえる。覆帯式重力下用MSは、運動性などの面で通常のMSに及ばないが、関連技術が未成熟だったMS黎明期においては、確実な作動性が期待できたほか、長距離移動などの面で優れていたとされる。

▼RX-75(ガンタンク)

 地球連邦軍が開発した最初期のMS。MSに区分されるが、実際には自走砲に近く、陸戦を主眼に開発された。 
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