黒下着故に
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第三章
「今の恵理香ちゃんスポーティーな感じだから」
「色気よりもね」
「競泳水着を着ているから」
「だからね」
「そうなの、競泳水着を着ていたら」
恵理香は自分の今の身体を見た、競泳水着に包まれたそれを。ワンピースタイプの水着で身体のラインがはっきりと出ている。
「スポーティーな感じになっていて」
「それでなのよ」
「着ているものって出るのよ」
「下着でもね」
「そうなるのよ」
「そうなのね、身体に直接着けると」
下着や水着はだ、こうした服は身体に直接着けるものだ。
「そうしたものが出るのね」
「そうみたいよ」
「特に恵理香ちゃんの場合はね」
「そうしたものが出るみたいね」
「そうしたタイプなのよ」
「そうだったの、それでね」
ここでこうも言った恵理香だった。
「一つ気になることは」
「っていうと?」
「気になることはっていうと?」
「それは一体?」
「何なの?」
「いや、もうすぐ授業だから」
恵理香が今気になっているのはこのことだった。
「だからね」
「授業ね」
「それに出ようっていうのね」
「そういうことね」
「そう、プールに行こう」
その授業に出る為にというのだ。
「今からね」
「ええ、じゃあね」
「授業だったわね、これから」
「じゃあね」
「授業に出ましょう」
友人達も言われてこのことに気付いた、それでだった。
色気の話も丁度終わったのでそれでプールに出た、そうして授業に参加するのだった。
これは恵理香が高校生の時の話だ、大学生になって彼氏にこのことを話すその彼氏である後輩はこう彼女に言った。
「それわかります」
「わかるの?」
「はい、先輩実際にですよ」
こう恵理香に言うのだった。
「今色気感じますから」
「そうなの」
「はい、多分その下着のせいで」
露出の低いお嬢様然とした服の下のだ。
「そうなってますよ」
「今日の私の下着の色黒だけれど」
「いや、言わなくていいですから」
恵理香の天然には慌てて制止を入れた。
「そんなことは」
「そうなの」
「直接身に着けているものが」
「私の場合はなのね」
「出てそれで」
「今もなのね」
「色気があります」
そうだというのだ。
「凄く」
「そうなのね」
「しかも先輩優しいし女子力もありますし」
後輩は恵理香に目を輝かせつつ話した。
「最高に素敵です」
「そうなのね」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「先輩は出来たらです」
「出来たら?」
「僕と一緒にいる時は」
その時はというのだ。
「そうして下さい、ただ他の人の前だと」
「その時はなので」
「気をつけて下さい、先輩が他の人に注目されて声とかかけられると困りますから」
彼氏としてというのだ。
「そこはです」
「そうなの、じゃあ」
「はい、そこはです」
「わかったわ、じゃあね」
「出来ればです」
「下着には気をつけていくわね」
こう言ってだ、恵理香は彼と二人でいる時だけ黒等の色気のある下着を着る様になった。天然であるが真面目な彼女の性格が出て色気は彼限定となったのである。
黒下着故に 完
2017・10・25
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