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オズのジュリア=ジャム

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第二幕その十二

「探している対象はね」
「近くにあったりするのね」
「ポケットに収めていても忘れているとか」
「あるから」
「そう、だからね」
「そこから考えてなの」
「そしてその通りだったね」
 かかしはにこりとして述べました。
「トニーはいたわね」
「そうだったね」
「有り難う、じゃあ皆にお礼をしたいんだけれど」
 ディックはにこにことして皆に言ってきました。
「いいかな」
「お礼というと」
「そう、おやつの時間だから」
 それでというのです。
「今から皆に食べて欲しいけれど」
「そうしてくれるの」
「うん、いいかな」
 こうジュリアにも言います。
「どうかな」
「是非そうして欲しいけれど」
 ディックだけでなくトニーも言ってきました。
「僕のせいで迷惑をかけたし」
「今日はチョコレートケーキなんだ」
 おやつはとです、ディックは皆にどうしたおやつなのかもお話しました。
「それをね」
「今からね」
「そう、食べてね」
「そこまで言ってくれるなら」
「うん、宜しくね」
 こうしてです、皆は牧場の一隅に座ってでした、ディックが持って来たそのチョコレートケーキを食べました。
 ケーキの色はエメラルドの都なので緑色です、そして味は。
「あっ、これは」
「美味しいね」
「うん、チョコレートの味がするね」
「それもとても甘くて」
「素敵な美味しさね」
 五人はそれぞれケーキを食べてにこりとなりました。
「しかもたっぷりあるし」
「沢山食べられるね」
「このこともいいね」
「美味しくて沢山あるなんて」
「最高ね」
「うちはいつもこうなんだ」
 ディックもにこにことしてケーキを食べつつ五人にお話しました。
「おやつも御飯もたっぷりなんだ」
「たっぷり食べないとだね」
「動けなくなって牧場のお仕事が出来ないからね」
 だからとです、ディックはモジャボロに答えました。
「お父さんとお母さんがそう言ってなんだ」
「それでなんだね」
「いつもこうなんだ」
 おやつはというのです。
「美味しいものをたっぷりなんだ」
「いいことだね」
「よく食べてよく働く」
「君のお家の決まりだね」
「そうだよ、ところで僕も皆のことは知ってるけれど」
 ディックもというのです。
「冒険なのかな」
「ええ、そうなの」
 ジュリアもケーキを食べています、そのうえでの返事でした。
「マンチキンの国まで行くの」
「ああ、マンチキンの」
「あそこに行くつもりなの」
「そうなんだね」
「そう、都からね」
「マンチキンの国は青だよね」
 ディックはその色のお話をしました。 
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