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何がいいのか

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第五章

「それを考えたら」
「一緒?」
「そうだよ、同じじゃない」
「けれどね」 
 理彩は成績のことは何でもないと言った藤太に返した。
「また言うけれどブスって言われたことあるし」
「それは言った奴がおかしいんだよ」
 藤太は完全に自分の主観から言った。
「絶対に」
「そう言うの?」
「そいつの目がおかしいから」
 主観だが完全にそうだと考えている、それが藤太だった。
「完全にね」
「完全にって」
「目がおかしいし頭もおかしいよ」
「そうなの?」
「奥瀬さんならAKBに入ったら」
 話題のアイドルグループにというのだ。
「もうセンター間違いなしだよ」
「それはないわよ」
「あるよ、絶対にそうなるから」
 藤太は理彩に真剣な顔を向けて言い切った。
「どんなアイドルグループでもだよ」
「センターっていうの?」
「そうだよ、どんな娘も全然敵わないから」 
 それこそというのだ。
「センターなんて普通だよ」
「そうかしら」
「そうだよ」
「そこまで言うのね、けれど背もね」 
 理彩は今度は自分の背のことを話した、あまりにも藤太が自分のことを高評価だと思ってだ。
「一五〇よ」
「低いっていうんだ」
「そうよ」
 その域だというのだ。
「気にしてるの」
「いや、僕そこも好きなんだよ」
「私が小柄だから」
「そうだよ、だから気にしなくていいよ」
「胸もないし色気もなくて」
「胸ない方が好きだし」
「色気も?」
 このことも聞いた。
「あるって言われたことないわよ」
「宇宙一可愛いよ」
「色気はいいの」
「というか奥瀬さんお肌白くて奇麗で」
 理彩が言っていないいことを言ってきた。
「後輩の娘達の面倒見よくて子供に優しくていじめもしないよね」
「いじめは嫌いよ」
 このことは事実だと認めた、実際理彩はいじめは大嫌いだ。
「意地悪も」
「じゃあね」
「そこもいいっていうの」
「陰口や悪口も言わないから」
「それは普通でしょ」
「普通じゃないよ、僕は言うから」
「言う風には見えないけれど」
「言うよ、気をつけてるけれど」
 それでもというのだ。 
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