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星河の覇皇

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第六十三部第四章 閣議決定その三十二

「その法案を出しただけでな」
「批判を受けます」
「市民からな」
「兵役は拒否する人も多いものです」
 理由は簡単だ、軍は束縛が多くしかも戦場に行くかも知れないからだ。窮屈と死を恐れてのことである。
「ですから」
「批判が出ることは当然だな」
「しかも意味がないとなれば」
「まさに誰もがだな」
「支持する筈がありません」
「連合でこれまで徴兵制の国はなかった」
 中央政府も各国政府もだ。
「まさに一国もな」
「はい、ありませんでした」
「千年の間な」
「連合では架空の話です」
「それでだな」
「はい」
 だからだとだ、八条も言う。
「連合においては」
「志願制がな」
「最もいいです」
「それしかないな」
「軍の将兵の確保の方法としては」
「そして志願制だからこそ」
「多くの給与が必要です」
 そうなるというのだ。
「実際に」
「そうなるな」
「そうです、まあ給与はです」
「高くともだな」
「基本給与は他の公務員と同じで」
「そこに手当が出るからな」
「手当はです」
 艦船勤務手当にしてもだ。
「あってもです」
「それでもだな」
「いいのです」
「それ位はな」
「しかし基本給はです」
「他の公務員と同じだな」
「それ位です」
 あくまで、と言う八条だった。
「その水準です」
「これが高いとな」
「それも問題になります」
「それ以下でもな」
「低いとです」
 それはそれで、だった。
「それもまた」
「問題だな」
「ですからその辺が難しいのです」
「高過ぎず低過ぎず」
「それで手当があるので」
「その高さで略奪等を防ぐな」
「そうです」
 まさにというのだ、こう話してだった。
 そのうえでだ、八条はキロモトに言った。
「そうしています」
「その様にだな。では給与のことも頼む」
「はい」 
 キロモトは八条のその言葉に頷いて答えた。 
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