| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十三部第四章 閣議決定その二十八

「傭兵達の蛮行のそれが」
「そうだな、正規軍よりもな」
「傭兵は略奪が多くなります」
「先程話が出た軍税制度もな」
 それもだ、傭兵についての問題になるのだ。キロモトはこのことを政治家として歴史を見てこういったのだった。
「税が支払えるうちはいいが」
「支払えなくなると」
「元々軍税制度は体のいい略奪だ」
「税金さえ支払えば略奪をしない」
「そう約束するものだからな」
 それでなのだ。その軍税が支払えないとだ。
「それが支払えないとなると」
「軍の方も傭兵に給料を支払わなければなりません」
「そして食料もな」
「用意しなくてはなりません」
 こうした条件が揃うからだ、軍としてもなのだ。
「そうしたものを賄わないとならないので」
「若し支払えないと」
「略奪するしかありません」
「そしてそこで蛮行が起こる」
 略奪以外のこともというのだ、略奪にしても問題であるがそれ以外の惨事もまた引き起こってしまうのだ。
 それでだ、キロモトも言うのだ。
「暴行もな」
「そして放火も」
「それによって街や村が焼けてもいたな」
「三十年戦争の時は」
「酷い場合は軍税を出させるより前にだ」
「はい、略奪が行われていました」
 そしてそれを傭兵達への報酬としていたのだ。
「そこから多くの犠牲者も出ました」
「三十年戦争は多くの犠牲が出たが」
「その前のイタリア戦争でも」
「そこには傭兵達の行いも多かったな」
「ローマも廃墟になりました」
 ローマ劫掠によってだ、餓えた神聖ローマ帝国の傭兵達がローマに入り暴虐の限りを尽くしたのだ。皇帝カール五世と対立していた教皇は沈黙したがそれ以上にローマは廃墟となり多くの犠牲者が出てゲイ出品もその中に消えた。
「ですから」
「傭兵よりもな」
「正規軍の方がいいのです」
「国民によるな」
「傭兵は給与が少しでも遅れますと、です」
「そうした惨事を引き起こす」
「国民軍は国家が給与を支払います」
 そして食事や他の生活のことも国家が保障する。そうしたことを全て国家が負担してそのうえでなのである。
「それが略奪等を防ぎます」
「給与は重要だな」
「そうした意味でも」
「武田軍もそうだったな」
 キロモトはここで八条の祖国に話をした。
「武田家も足軽達に給与を出してだったな」
「略奪を防いでいました」
「そしてそこからの蛮行も」
「まずは略奪です」
 郡の規律は、というのだ。
「将兵に略奪をさせないことです」
「まさにそこからだな」
「ものを奪えばそこからです」
「軍の規律は崩れるな」
「傭兵達がそうである様に」
 その規律を守る為にもというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧