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星河の覇皇

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第六十三部第四章 閣議決定その十五

「不確実性には」
「どうしてもだな」
「そう思います」
「確実性か」
「そうです」
 八条が求めるものは、なのだ。
「私はそれを求めます」
「確実に勝つ方法か」
「あらゆる事態を想定して」
 そのうえで、というのだ。
「そうあるべきなので」
「運には頼らずに」
「実力で、当然の様にです」
「勝つべきだな」
「戦争は」
 まさに、というのだ。
「そうあるべきと考えていますので」
「だからだな」
「私は運の存在を認めていましても」
「運を好まない」
「頼りません」
 決して、というのだ。
「それには」
「戦争は確実に、か」
「まず数があり」
 八条が最初に挙げる要素はこれだった。
「そして補給です」
「数と補給か」
「この二つです」
 この二つは絶対に欠かせないというのだ。
「敵を圧倒するだけの数があり」
「そしてその数を動かせるだけの補給がか」
「必要です」
「人は食べられないと生きられないからな」
「欧州の軍税制度等はです」
 三十年戦争辺りから形成されていった、現地で軍事資金やそうした補給物資を税金として調達する制度である。
「あれは連合軍には相応しくないです」
「一歩間違えば略奪に代わるしな」
「実際に軍隊は略奪をしてです」
「補給としていたな」
「将兵への給与、昔で言う褒美にもしていましたが」
「現代でやるとな」 
 つまりこの時代でだ。
「よくはないな」
「はい、本国から物資を送るべきです」
「現地調達以上にな」
「食料等は現地で購入してもいいですが」
「連合軍はl巨大だ」
「エウロパ戦役では六十億を動員しました」
 尚この時代のエウロパで六十億も人口がいる星系は存在しない。これは連合においても同じことである。
「それだけの将兵を動かす為には」
「現地調達ではな」
「食料もです」
 最低限の補給物資であるそれすらというのだ。
「調達出来ません」
「人は食べなければな」
「動けません」
 もっと言えば死んでしまう、戦争で補給が途絶えて餓死した話も多い。
「ですから」
「食料もな」
「連合からです」
「送らなければならない」
「勿論他の物資もです」
 燃料や軍事物資も入る、当然生活必需品もだ。 
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